沖縄防衛に出た戦艦大和

皇紀2670年(平成22年)11月16日

 映画専門誌『キネマ旬報11月下旬号キネマ旬報 最新号)を拝読していて思い出した或る日本映画があります。ここでは最新作『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督作品)が特集されていましたが、同じく最新作『ふたたび swing me again』(役者でもある塩屋俊監督作品)にご出演の財津一郎さんのインタヴュー記事が掲載されていました。

 数多くの映画出演を誇る財津さんにとって忘れられない作品の一つが、昭和56年製作・公開の『連合艦隊』(松林宗恵監督作品・中野昭慶特技監督)なのだそうです。その完成披露記者会見の際の秘話を教えて下さいました。

 記者から「どうして今の時代に海軍を、あんなに格好良く撮るんだ」と問われた松林監督は、「何を言うか! あの時代があったから、今の時代があるんじゃないのかね。私は死んでいった先輩たちへの鎮魂の思いで作っているんだ! 私の本音は反戦だ!」と皆がびっくりするような剣幕でお答えになったそうです。

 それでも「戦争賛美の意図」を引き出そうとしつこい記者が再度同じ質問を繰り返すと、松林監督は「海軍は格好良かったんだ」と答えて、相手は黙り込んでしまった、と。

 財津さんは松林監督が昨夏にお亡くなりになり、築地本願寺でのお通夜にて、監督へのお別れに海軍式の敬礼をしたと言います。それをとやかく問題視する人がいたそうですが、今でも財津さんは「『連合艦隊』をやっているから」「監督に対しては、これが一番自然なお別れなんだ」と思っておられる胸の内を明かされました。是非皆様も読んでみられて下さい。

 現下の日本は、米軍による占領統治を経て各界論壇の「ねじれ」が起きているように思います。主として革新論壇は革命としての「天皇制」の打倒と反戦・非核を説き、保守論壇は伝統文化の継承としての「尊皇」と改憲による再軍備を説いてきました。

 松林監督が浄土真宗の僧侶であったことや、英霊への「鎮魂」という言葉の問題はさておき、保守論壇こそが「あの時代があったから、今の時代がある」と言ってきたのに対し、反戦・非核を口にすることを絶対に許しません

 『連合艦隊』は真珠湾攻撃に始まり、大日本帝國海軍が建造した世界史上最大の戦艦「大和」沖縄防衛のために海上特攻の命を受けて米軍に撃沈されてゆく姿を描いた作品ですが、財津さんは一臣民の海軍兵曹長を演じ、ゼロ戦特攻に志願した息子を当時映画初出演の中井貴一さんが演じました。

 私が今でも良く覚えているのは、撃沈されゆく大和と、大和に乗務していた父(財津)をゼロ戦から見つめる息子(中井)が「ほんの少しでも、親より長生き出来たことが、親孝行でしょうか」とつぶやき、米軍に機ごと突撃してゆく場面です。こうして、山本五十六小林桂樹)の反対を押し切り、日独伊三国同盟の締結を決断した及川古志郎藤田進)の「やむを得ない」に始まった戦争は、再び「やむを得ない」で終わりました

 これほど自立を懸けた国力が消耗し、全臣民が辛酸をなめた戦争を繰り返してよい筈などありません。それでも各界論壇の「ねじれ」が起きるのは、革新論壇が拠り所とする占領統治による価値観の転換が単なる「逃げ」と「思考の停止」を招き、戦前の全否定とそこから派生した反戦でしかなく、一方の保守論壇はあくまで戦前の全肯定と戦争の正当性の主張に終始して、いつの間にやら「天皇陛下の戦争」を喧伝してしまっており、これがかえって皇室を危険にさらしていることと自らの「尊皇」との不整合を屁理屈で誤摩化してきたのではないか、と私自身も過去を自戒するのです。

 何としても占領憲法の改正に突き進む保守論壇の「8月革命説」などは、まさしく噴飯ものの屁理屈であり、どうしてもこのような保守派の主張に賛同しきれない多くの日本民族が、いよいよ革新的なメディア報道や政治家、文化人の発言に大した違和感を感じなくなって久しいものと思います。これこそが国難の正体である、と。

 ですから、私は堂々と日本という国家自立の本能を守るべく、天皇陛下の祭祀に従い、先人たちに感謝し、無戦・無核を提唱しています。これを全世界に知らしめることが日本民族の使命であり、ゆえに沖縄県へ赤い血に染まった手をかけようとしている中共を払い除けねばなりません

 沖縄防衛に散った戦艦大和の乗組員には、ご家族に「沖縄が大変なことになっていると聞いている。今すぐ出撃したい」大和ミュージアム遺品展示より)と書き遺して死んでいかれた方々がおられます。今、沖縄防衛を考えた時、絶対に同じ轍を踏むわけにはいかない、と私は強く思うのです。

中国の尖閣侵略糾弾 全国国民統一行動 11.20 IN 大阪

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『沖縄防衛に出た戦艦大和』に4件のコメント

  1. ストリートマン:

    人間は「戦い」から逃げ出す事は出来ません。国家はそれだけの覚悟が必要で有り、歴史事実なのです。日本人は忘れてしまっています。

  2. matu:

    よもの海 みなはらからと思ふ世に        など波風のたちさわぐらむ (明治天皇)日露戦争の時詠まれた御歌です。そして先の大戦前の9月6日、御前会議ではっきりと二度朗誦なさった先帝陛下。ここに御心が表れています。(この日は、秋篠若宮殿下のお誕生日でもあります)占領憲法の最大の欠陥は何でしょうか。あれもこれも思い浮かびますが、一つ挙げるとするなら「国民主権」でしょう。我が国の国体に反するからです。戦争はどれも国体に反しています、国民主権によって行われそのたびに国民主権は大手を振ってのさばるようになりました。帝国憲法に国民主権はないかもしれません。しかし、国は国民主権で動いていたといえますでしょう。

  3. よもの海:

    個人的には沖縄は問題が多いので、中立国の中華民国に引き渡した方が良いと思うのです。日本としても厄介ごとが減ります。

  4. よもの海 :

    よもの海 みなはらからと思ふ世に        など波風のたちさわぐらむ (明治天皇)に対しては不徹底と批判されています。