西田先生、お疲れ様です

皇紀2672年(平成24年)7月28日

【番組批評】

 何度でも言うが、小林節のような保守派は最悪だ!
 田原総一朗の言葉遣いをいちいち注意してはダメなアノ番組

 私はいつごろからか、テレビ朝日系列で放送されている『朝まで生テレビ』を見なくなった。それは恐らく旧態依然としたと申しますかね、或る種固定化されたいわゆる「ポジショントーク」にうんざりして、朝まで議論している人たちというより朝まで見ているこちら側が何ら有用な結論を見い出せない不快感に耐えられなくなったからだろうと思う。わざわざ不快な思いをするためにテレビを見る必要なんぞない。

 もう一つは、これがまったく個人的なことなのだが、まぁ大学生だったころのように時間を自由に使えなくなって、土曜日に仕事があったりするとほとほと疲れ果てるからだ。

 それはともかく、平成二十四年七月二十八日放送の『朝まで生テレビ』は「憲法」を主題にしており、自由民主党の西田昌司参議院議員が出演されるというので、見ざるを得なくなった。

 仕事を終えたばかりのわが身に鞭打ちながら、時折意識を失いつつ、そうと最初から分かっていて録画もしたのだが、たぶん録ったものは見ずに死んでしまうような気がする。もう何ヶ月も前に録画した番組さえ、今もってまるで見ることができない。

 さて、憲法論議なんてそれこそ古臭い「保守対革新」、すなわち「改憲対護憲」のののしりあいを聞かされるだけで、いつもなら絶対に見たくないのだが、先述のように西田議員が呼ばれたというので、これは初めて「真正護憲=新無効論」が加わって面白くなると思った。

 ところが、番組進行の根幹を成すのは、早稲田大学の東浩紀教授の新憲法草案であり、「国民」と「住民」という言葉遊びが意外に褒められてしまっている。これでは面白くない、と。

 それでも彼がおっしゃった「天皇陛下は世界の祭祀王」という主旨には賛同したね。これまで大嫌いだったはずの東京大学のマルクス主義者・小森陽一教授が指摘された「現行憲法は守られていない」というのもなるほどだ。現に第九条に反して軍隊が存在しているのだから、彼の言うとおりである。少なくとも小泉純一郎首相は「自衛隊は軍隊」と発言して政権を維持しちゃった。

 西田議員もそれらの指摘を肯定し、改憲と言うが現在すでに解釈で勝手にやっており、それが時の政権の統治によって思いのままであることを危険だとおっしゃったわけね。この瞬間こそこれまでの死臭漂う憲法論議からの脱却を決定づけたと申してよいだろう。

 司会の田原総一朗氏がいちいち話を元に戻してしまうのが、荻上チキ君風にいうと「超ウザイ」のだが、それでも発言の中心は次第に西田議員に移ってゆく。彼が自民党の改憲草案の存在そのものを否定するに至り、国家の基本法を「憲法」、欧米が宗教に求める価値観または道徳を「教育勅語」と整理すれば、東氏も得心のいったような反応である。

 そして、ここで最悪の存在を私は見つけてしまった。それは民主党の辻元清美衆議院議員でも、学生のころからあれほど気持ち悪かった小森教授でも、なぜかわが国の憲法論議の場に出てきた二人の外国人でもなく、保守論壇の一角を成してきた慶應義塾大学の小林節教授その人だ。

 あれは最悪である。何度でも言うが最悪だ。自分が「今やすっかりお呼びでない類いの改憲論者」であるという自覚すら見当たらない。この手の人物ほど「自分は専門家」と言う。そう言って頭ごなしに西田議員、いや、真正護憲をただ拒否した。「二元元首制なんて面白いじゃない」と繰り返し西田議員の発言を妨害したお前の存在自体が面白くないんだよ。

 国民主権を絶対視する危険性にまだ気づいていない日本人の甘さは、そのまま外交や国防の甘さに出現する。天皇主権だった時代なんてない。あえて申せば国体(國體)主権であり、そこに国民がいるからこそ私たちは自由なのだ。

 何度も何度も「無効だ」と頑張られた西田先生、お疲れ様でした。あの番組は、田原氏の「天皇制」とか「天皇教」といったおぞましい危険思想用語のちょっとした駆使をいちいち注意していては出演できない。たまには提供企業の商品名を口にしてこれを褒め、時計を見ながら怒鳴ったり笑ったりしなけりゃならぬ。「ティービィーショウ」なんだから。

 とまぁ、超個人的に批評してとりあえず三時間寝る。

 文=遠藤健太郎 (真正保守政策研究所代表)

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『西田先生、お疲れ様です』に3件のコメント

  1. allco:

    私も西田議員につられたくちです。
    相変わらず不快にさせる番組ですね。
    「おちょくった」態度を良しとする最低田原です。

    日本伝統の国体を回復する事。
    この中に社会問題を解決する唯一の黄金のカギがある。
    そして他にはない。

    実は日本は先の敗戦で敵に大切な国体を盗まれ、その代わりに偽物と取り換えられたのだ。この為、今民族の苦しみが始まった。

    日本の国体とは、民族生存のシステムである。
    これに対して敵の強制した偽物は偽善であり拝金主義で日本人をバラバラにし、断絶させるまがい物だ。

    日本はすでに二十年後までの人口減は決定した。減る一方だ。
    そこで今国体を回復する改革に成功してもその効果が表れるのは
    二十年後である。このくらい国家と云うのは長期的で大変なものなのだ。しかしやらなければならない。現実派として生存し日本国体を
    回復するのだ。

    戦後の日本は全て偽善だった。
    朝生面子が良い例だ。田原は偽善の産物だ。
    マスコミも偽善の塊だ。

  2. 篠の目:

    おつかれさま。

    私も十年ぶりくらいにこの番組を見ました。

    西田参議院議員の発言がかなり多くてその点よかった。

    小林なにがしはおっしゃるとおり「お呼びでない」の一言でしたね。

  3. 日テロも振り返るとフジががが・・・:

    カネくれる人間を天まで持ち上げ、カネくれないほうをブチのめす田原。
    そういうのを、私はインチキ野郎と言っている。

    最初から結論ありき、というか、有意義な結論さえない、価値ゼロ以下の番組。朝ナマ。

    先送りのできた80・90年代はまだそれでも左翼の世論操作・自慰的行為として続いていたのかもしれないが、もはや存在そのものが害悪のインチキ野郎田原。