おフランスでケシカラン?

皇紀2683年(令和5年)8月3日

 自民党の女性局は先月末、少子化対策幼児の義務教育化などの現地調査を目的に仏国で研修を行い、三十八名が参加しました。ところが、皆さんも既にご存知の通り、元外務官僚の松川るい参議院議員がツイッター(X)のアカウントに写真つきで投稿したのをきっかけに、批判が殺到したのです。

 その「言い訳」に今井絵理子参院議員が参戦したのも、国民感情としてはよくなかったのでしょう。いわば「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」に近いものがありました。

 当然のように批判した言論と、批判を批判した言論も登場しましたが、本来は「見ると聞くとは大違い」で、政治家が或る政策を自らのものにするには、現地視察は重要です。

 パリ市内のエッフェル塔を背景に記念撮影したのがよくなかったというのですが、これが駄目なら「地元のお祭りに参加した」といった活動報告の記念写真も駄目でしょう。要は、海外視察の、しかも仏パリでの研修に対して「税金で遊びに行きやがって!」といった国民感情が湧いたのです。

 しかし、これは自民党の主催であり、政党交付金もあるとはいえ、基本は党が費用負担しています。しかも、現在の仏国は、あらゆる意味で現地視察の値打ちがあると申せましょう。

 エマニュエル・マクロン政権になって、社会福祉制度の改悪が始まり、そこへ大量移民問題がいよいよこじれ、治安が悪化の一途を辿っています。

 松川議員がこれらを見逃すはずがありません。仏国民の気質と婚姻制度、少子化対策の関係性を読み解き、目下の国家的混乱と貧困化を目の当たりにして、わが国では全く参考にならないという事実を見出して帰国したはずです。このようなことは、実際に肌で感じるものがあったでしょう。

 是非とも岸田文雄首相に「総裁もマクロン氏と同じことをしています。このままでは日本も駄目です」と警告してください。

【桂春蝶の蝶々発止。】迷走する大阪・関西万博 準備の遅れより問題なのは…70年万博、岡本太郎さんメッセージの上澄みだけパクった?(1/2ページ)

 2025年大阪・関西万博が迷走してます。海外パビリオンの参加国と建設会社の契約締結が進んでおらず、準備の遅れが指摘されています。日本建設業連合会の宮本洋一会…

(zakzak:夕刊フジ|産經新聞社)

 国民経済が転落して三十年以上が経ち、いよいよ瓦解し始めたわが国で、五輪大会や万国博覧会を開催する意味が果たしてあるでしょうか。成長の起爆剤になりうるものも、結局は政官財の利権のたらい回しに終わり、いや初めからそれしか頭になく、国民的行事にはなりえないのです。

 かつてのように世界が大きくはなくなったことも一因としてあるでしょうが、五輪にも万博にも、もう全く胸躍るものがなくなりました。まして二年後に開催予定の大阪・関西万博は、その主題が「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、健康と長寿に材を得る展示館(パビリオン)なんぞに「どうしても見てみたい」という感情が湧きません。

 海外からの出展は現在、韓国のみであり、失敗しそうな気配しかないのも気がかりです。一国民としては、わが国の恥をさらすような博覧会にだけはしたくないものですが、開催に手を挙げた大阪府が一体どのような展望を持っていたのか、甚だ疑問です。

 昭和四十五年の大阪万博では、それこそ五十代の重鎮だった丹下健三氏が総監修を行ない、主題だった「人類の進歩と調和」を還暦前の岡本太郎氏が「太陽の塔」でぶち破りました。

 民族学者だった梅棹忠夫氏の繫がりで、まだ三十代だった小松左京氏らが開催計画に参加した熱量は、相当のものだったと思います。しかし、今回の計画からは、そのようなものが一切見えてこないのです。

 わが国は、まだまだ多くの可能性を秘めた国であるにもかかわらず、いわば現行憲法(占領憲法)を放置し続けてあまりにも長い歳月を漫然と過ごした結果、ほぼ熱量を喪失した状態に見えます。

 国民経済に対する政府の無策、失策がその多くの熱量を奪ったとすれば、これからの政権が何をすべきか、自ずと答えは出ているのです。

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『おフランスでケシカラン?』に3件のコメント

  1. アンチレッド:

    「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」もあれば「アバタもエクボ」という諺もあり、要は気持ち次第でどうにでもなるということだと思います。
    自分のことを多くの人にわかって欲しければ、「わかって欲しい」人間が努力をしないと「わかりたいとも思っていない」人間には伝わらないでしょう。
    政治家ならこいう姿勢で情報発信するのが当然だと思いますが、そうではない政治家しかいないことこそが問題だと思います。
    大阪万博にしても、来場者のためにではなく主催者のため(利権)のために開催するつもりとしか思えないありきたりのテーマで、そこに来場者を満足させようとする熱意など微塵もないのでしょう。
    日本のおもてなしはカタカナで言えばローカル・カスタマイズになると思いますが、グローバリストに支配されてしまうとグローバル・スタンダードの大味で雑なものしかない国になってしまいます。
    そうなると国というよりは「人(奴隷)が住む土地」程度の意味しかなくなるでしょうが、それこそがグローバリストの狙いだと思います。

  2. 自由貿易反対:

    ルサンチマンを煽る政策しかやらない自民党がルサンチマンを抱いてる連中に批判されるのは自業自得という他ありません。はしゃいでるのがダメなんでしょ。岸田のムスコの忘年会と一緒。ただ松川議員がアホなのは自分ではしゃいでる写真を流出?させてるところ。

  3. cocoa:

    フランスの政策が日本の参考になる代物かどうかの事前学習もないまま現地取材しても何も参考にならない事を知る為に現地調査に行くというのは納得できません。
    その程度ならばリモートという現代の通信技術で行うだけで良かったのではと思います。
    少子化対策は大切な事ですが、他にも日本の未来の為にt推して国会議員早急に改革する為に学ばなくてはならないことは山積みだと思います。