日韓報道わざと飛ばしてる
瑞国随一のクレディ・スイスに破綻の噂が立ったのは、昨年十月十五日記事で既に扱っています。この時点からずっと危なかったのです。
それよりもこれで思い出したのですが、十五日記事冒頭で発した地方銀行への警告で、金融庁を巻き込んでSBIの北尾吉孝会長と組んだ菅義偉前首相が「再編」と称して地銀を潰そうとしていたことを改めて申しました。
この当時、巻き込んだ金融庁の長官が氷見野良三次期日本銀行副総裁です。しかし、その企みが潰えたのは、急転直下の長官交代劇でした。学者の植田和男新総裁を大蔵(財務)上がりと日銀プロパーで支える新人事に、地銀の危機が潜んでいたことを申しておかねばなりません。
うっかりしていましたので、改めておきます。
さて、昨日記事で、日韓首脳会談の直前までわが国側の対韓方針が実に危うく、決して「してはならないこと」を固めるのにかなり苦労したことを申しました。
ところが、昨日取り上げた日本放送協会(NHK)の報道といい、他社も含めて「飛ばしている」のです。そう、もうまるで岸田文雄首相が尹錫悦大統領に何もかも全部妥協したかのような報道ばかりしています。
一方、韓国側のほうが冷静で、と言うよりいつものように不満ばかりで、わが国政府が結局ほとんど譲ってくれなかったことを嘆きました。「誠意ある対応」が求められているのは、韓国政府のほうだというのに。
つまり、わが国の報道権力は、わざと飛ばしているのではないかと思います。例えば、輸出管理制度上のグループA(旧ホワイト国)に会談の時点で復帰させたかのような報道も、いわば「岸田首相はさっさとそうしろ」と言いたいのでしょう。
或いは、私たち国民に「もう日韓は正常化しました」と印象づけてしまいたいのだと思います。勘違いして岸田首相に怒り出す(もともと岸田首相が嫌いな)保守派がいるくらいですから、そのような報道になっているのは確かです。
私たちの苦労は何だったのだろう、とも思いますが、いよいよ騙されてはいけません。その調子に乗せられて、政府がまんまと日韓関係改善の階段を踏み外してはならないのです。昨日申した「一対一」が大原則です。
初訪日中の尹大統領に向かって、北韓(北朝鮮)の工作に乗せられた老若男女が北韓工作員と共に、ソウル特別市内で「そのまま韓国に帰ってくるな」などと行進していますが、その様子を見て「まずい」と思ってもいけません。
日米韓関係修復中の尹大統領を守ろうとして「してしまうこと」が日韓関係を今後も何度でも悪化させてしまいます。だから「してはならないこと」を固めねばなりませんでした。
今はどんなにつらくても、安易な妥協を許してはなりません。わが国側がまだそれを言える段階にあることを、再度確認しておきます。昨日「現段階で」を繰り返したのは、そういう意味がありました。
どうか皆さん、報道権力の誤誘導(ミスリード)に騙されないでください。