円安でウハウハなら取るな
ウクライナ議会が七日、わが国のいわゆる「北方領土」を「露国によって占領された日本の領土」と確認する決議案を採択しました。
しかし、地政学に於いてこれはほとんど何の意味もありません。仮にもウクライナが「我こそは大露国の原点」と宣言し、対露侵攻を推し進めて露国のすべて領土を占領、極東に至るまでウクライナになれば話は別ですが。
露国にこれを認めさせねばならなかったわが国にとって、よりにもよってウクライナにこのようなことを言われたのは、皮肉と申しますか、わが国外交の失敗を改めて露呈するものでしかありません。
千島列島全島と南樺太の領有を主張し、日露講和に向けて欧米とは違う対露方針をとるべきだったわが国が、誤って欧米(露に侵攻を煽った米民主党のジョー・バイデン政権なんぞ)に同調し、ウクライナを支持するほうへ奔った顛末です。
欧米とは違ってわが国は、露国と大東亜戦争すら終わっていないという現状認識もなく、自立した思考を持たないからこうなります。
さて、国民経済に対する現状認識も正しく持ち合わせていないように見える岸田文雄首相に、財務省が嫌がる提案をして果たして聞いてもらえるでしょうか。
詐欺カルトでしかない統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題をつつかれて困っているなら、思い切って「私は財務省と闘う」と記者会見し、少なくとも来春の統一地方選挙に備えることをお勧めします。このままでは、次の衆議院議員総選挙まで自民党がもちません。
私もかねがね主張してきた政府の莫大な資産について、現状の経済・財政政策のままでは、それを抱えたまま国民経済だけが破綻する、と。つまり、多くの国民が餓死しながら国はほぼ無傷で存続するのです。
それは、もはや国ではありません。国民を養い損ね、カネはあっても国力を失った「もぬけの殻」でしかないのです。
早い話が外国為替資金特別会計の約百八十兆円は、ほぼドル建て国債であり、異常な円高が収束した分の含み益だけで約三十七兆円超ある、と。経済学者の髙橋洋一氏のこの指摘を受け、国民民主党の玉木雄一郎代表は、私たち国民に一律十万円の再配布を提案しています。
六日の衆議院代表質問での玉木代表の提案は、岸田首相に、いや財務省にとって目障りこの上ないものだったでしょうが、本当に今しなければならないのは、何度も申しますが「配る」のではなく「取らない」ことです。
武漢ウイルス(新型コロナウイルス)向けとされる得体の知れないワクチンを三回も接種しなければ受けられない全国旅行支援(全国旅行割)は、既にそれ自体が国民の自由を侵害する憲法違反ですが、これらの策を理由に増税を企んでいる財務省に対し、一部の国民しか享受できない経済対策を理由にすべて国民から徴税する分を増やすことの著しい不公平をこそ強く訴えねばなりません。
しかも都道府県ごとに支援内容が異なり、大手旅行代理店のJTBと日本旅行にばかり予算が投入されている全国旅行割の制度不良は、本当に私たち国民が国内旅行を楽しむ好機を拡大する政策にもなっていないのです。
にもかかわらず、少なくとも今後三年以内に消費税率の引き上げが待っています。皆さん「ふざけるな」とは思いませんか?
給与上昇を伴わない外的要因による物価上昇(スタグフレーション)と、各産業が供給網(サプライチェーン)を中共を中心とした海外に依存していること、よって円高の収束を「円安だ」と慌てるほかなく、国産品までも中共などに買い負けている大惨事を乗り越え、わが国経済の好機に変えるには、内需回復策の徹底しかありません。
消費税を廃止(消費税法を無効に)し、所得税控除額の現行五十五万円を百五十万円程度、或いはそれ以上に引き上げ、社会保険料の徴収を大胆に縮小して世にいう「百六万円の壁」を取り払うことです。
またぞろバタバタと余計な予算を計上して十万円を配るより、はるかに効果があります。財源は国債であり決して税金ではありませんが、政府は、有用な国債の使い方に努めねばなりません。
それでも心配ですか? いえいえ、政府の潤沢な資産は「円安でウハウハ」なのです。物分かりのよいふりをして財務省に騙され続けることをやめましょう。
皇紀2682年(令和4年)10月11日 7:45 PM
> ~何度も申しますが「配る」のではなく「取らない」ことです。
> ~財源は国債であり決して税金ではありません~
その通りですね。
最近「#税は財源ではない」
「#政府の赤字はみんなの黒字」
のハッシュタグが、しばしばTwitterでトレンド入りしていますが、これ等が、昨今の積極財政派の議論の肝ですね。
外為特会議論も、急な円安時は米国と折り合いが付けばやれば良い、程度の弥縫策(最近の民民の政策は評価したい)。
本丸は、ここ30年蔓延ってきた「財政破綻論に基づく緊縮財政」を破棄し、
通貨発行権を持つ主体(政府)は
【 「税収に応じた支出(PB規律)」でなく「物価、景気動向、供給(生産)力に応じた支出」をすべき 】
を根付かせる事ですね。
皇紀2682年(令和4年)10月11日 9:18 PM
今回記事とは関係無いですが、
最近新手の財政破綻論(藤巻健史等の日銀破綻論)が出て来たので、遠藤さんは大丈夫でしょうが、国民が騙されぬよう安藤裕氏、解説動画を貼っておきます。コメント欄、皆聡明。
https://youtu.be/9Obw0Lv_FYk