弱った露国からカネで買え

皇紀2682年(令和4年)8月21日

「ロシア制裁は予想外の効果を発揮している」…ノーベル賞経済学者のクルーグマン氏が指摘

ウクライナ侵攻以来、ロシアは不安定で混沌としたエネルギー取引から利益を得ているようであり、西側の対ロシア制裁が裏目に出たのではないかと考える人もいる。しかし…

(BUSINESS INSIDER JAPAN)

 かつて安倍晋三首相、麻生太郎副首相兼財務相や菅義偉内閣官房長官(いずれも当時)らに「規制緩和策に逃げないで大胆な財政出動を」と訴えた経済学者のポール・クルーグマン氏が指摘した「物を売るのには問題ないが、物を買うのにはかなり問題がある」という露国の現状は、私もその通りだと思います。

 これが露国内のあらゆる生産体制に致命的影響を与え、経済がさらに委縮してしまうでしょう。私が当初から警戒しているのは、その顛末として露国が中共に事実上買い取られてしまうことです。

 愛国者たるウラジーミル・プーチン大統領がそれを許すはずはありません。必ずどこかで中共の「黒い手」を払いのけるでしょう。

 わが国にとって、ウクライナ侵攻直前という日露講和条約締結(北海道択捉・国後・色丹島、歯舞諸島の返還)の好機を逃した今、再度その機を伺うとすれば、露国がいよいよ経済の致死的衰退局面へ堕ち始めた時しかありません。

 そもそも千島列島全島と南樺太がわが国の領土ですが、その時、カネでどこまで取り返せるかです。

 政府は今から、強靭な交渉を覚悟して訓練しておかねばなりません。弱っていても相手はプーチン大統領です。米国に尻尾を振り、大型財政出動すら決断できない日本の首相とは格が違います。

 こう申しますと安倍元首相批判になりますが、経済政策と日露外交は、結果として安倍政権の大失敗でした。そして今、未だ全員の御霊が帰宅叶わぬ知床遊覧船事故に対する露国境警備局の協定以上の協力に、ただの一度も礼をいわない岸田文雄首相は、確実に同じ間違いを繰り返すでしょう。

 いわゆる「北方領土」にここまで思い入れるのは、日露講和そのものがわが国の主権回復に関わり、それを邪魔してきた米政府を説得してでも取り返さねばならない先人たちの血と汗の領土だからです。

 その権益も、沖縄県石垣市尖閣諸島を守らねばならない以上のものがあると申して過言ではありません。資源開発や漁場の確保は、露国が簡単に手放さないほどわが国の死活問題であるはずです。

 本気で挑まねば、また経済協力と称してカネだけ盗られて終わります。世界各国の国歌にもよく唄われる「血と汗で勝ち取ったわが領土」は、日本に於いてはまさに千島列島と南樺太です。

 何が何でも取り返すという気迫がわが国政府になさすぎるのです。

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『弱った露国からカネで買え』に2件のコメント

  1. 京都おやじ:

    岸田は人間の心がない
    官類とはそういうものだ、権力も予算も天下り先も持たせてはならない

  2. ノンポリではいられない:

     おっしゃる通り、ロシアが中国とタッグを組む前に、日本独自の立場でロシアと交渉を進めるべきだと思います。
     日本にとって一番最悪なのが、ロシアと中国が手を組むことでしょう。
     ウクライナ問題におけるロシアの蛮行は許せませんが、日本はその問題に深入りせず、領土交渉を進め、ロシアが瀕して中国に下るのを防ぐのが得策ですね。