日露のSAR協定は使える

皇紀2682年(令和4年)4月26日

 昨日記事冒頭で取り上げた知床遊覧船の事故ですが、海上保安庁は、平成六年に日露間で締結した捜索救助協定(SAR協定)に基づき、北海道国後島近海にまで行方不明者の捜索が及ぶことを露国境警備局に通知しました。

 日露講和条約が締結されていない(露国とは大東亜戦争が終結していない)ことから、過去にこの海域でわが国の漁業関係者が露国境警備隊に拿捕されたり、銃撃され殺されています。いわば戦没者が出ているのです。

 現下の状況からも海保の現場は、極度の緊張状態に晒されており、通知することにも勇気がいったでしょう。私たち国民を救うべく、よく判断してくれました。

 未だ子供一名を含む十五名が見つかっていません(二十五日夜現在)。せめて全員家に帰してあげたいと願うご家族方の祈りを一身に背負い、第一管区海上保安本部が全力を挙げています。

 それを前提に、少なからず心苦しいのですが申します。この捜索で露国が妨害せず、見守る姿勢を貫くならば、わが国政府はこれを契機に、対露制裁を緩めるべきです。

 誤解のないよう申しますが、私は当初から米民主党とウクライナをこそ「加害者」としましたが、何度も指摘した通りウクライナ侵攻を日露講和(領土返還)の交渉材料に利用すべき時がきていました。露国の武力侵攻を認めているわけではありません。

 主要先進七か国(G7)で唯一北大西洋条約機構(NATO)に加盟していない東洋の代表たるわが国は、米国と欧州連合(EU)とは一線を画した方針で臨むべきでした。全ては領土を取り返すためです。

 岸田文雄首相は、大した考えもなく欧米に同調してしまいましたが、制裁緩和の口実は何でも構いません。得ていた好機を取り戻すべく、この事故の捜索活動を利用するのです。

 国民感情としては不謹慎に聞こえますが、外交・安全保障の現実としては、この事故を単に哀しんで終えてはいけません。そういう考えをわが国政府も持たねばならないのです。

 くどいですが単にウクライナを応援しても、何ら得るものはありません。昨日記事の本題の件で、ツイッターのウクライナ公式アカウントを「現在、政府とは関係がありません。製作者の歴史認識不足でした」などと言い訳する程度の無責任な連中です。

 九日記事で取り上げたようにウクライナは、戦争にもメディアセンターを設置し、自分たちの見せたいものを見せたいように世界へ発信しているにすぎません。私たちが目下見せられているものは、ウクライナによって操作され、主として英米の報道権力がバラ撒いているものでしかないのです。

デジタル庁が“アナログ”すぎてヤバイ。メールしか知らない上層部、有望な民間出身者が「官僚主義」に愛想を尽かし大量離脱

この4月から約730人体制と、2021年9月発足時の約600人体制から大きく職員を増やしたデジタル庁。それに加え、デジタル庁として初めて国家公務員1期生12人も採用するなど、組織を拡大化している。その一方で民間出身者の退職が相次いだり、上層部の“アナログぶり”が露呈するなど、意気込みとは反対にデジタル庁に対する風当たりは強くなっているようだ。…

(MAG2 NEWS|株式会社まぐまぐ)

 しかし、私たちの政府は、この程度でしかありません。当初から指摘されていた問題点をそのままに、デジタル庁はやはり形だけの官僚出向組織にしかなっていないのです。私がこども家庭庁の設置にも反対しているのは、同じ顛末を辿るのが目に見えているからにほかなりません。

 これでは、日露交渉でウラジーミル・プーチン大統領を相手に到底勝てないでしょう。事故の尊い犠牲も、ただただ犠牲に終わってしまいます。

 私たちの世界は、何らかの事故で犠牲が出る度に制度や技術の改正を図り、次の犠牲を阻止しようと多くの命を救ってきました。それすらもできない国に、戦わずして領土が返ってくることはないのです。

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『日露のSAR協定は使える』に1件のコメント

  1. ノンポリではいられない:

     この時代の分水嶺に事なかれ安全運転で外交音痴の岸田政権であることが歯痒いです。