中国に盗られた米露の利権

皇紀2681年(令和3年)8月17日

タリバンと手を組む中国──戦火のアフガニスタンを目指す3つの目的

米国が撤退を進めるアフガニスタンに、入れ違いのように中国がアプローチを強めることには、「一帯一路」構想を進めるだけでなく、ウイグル問題への対応、さらに「米国を超える大国」のイメージ化という3つの目的があげられ…

(ニューズウィーク日本版)

 中共の外交部(華春瑩報道局長)が早速ターリバーンとの友好関係を口にしましたが、アフガニスタン回教共和国は再び、回教原理主義組織に政権を獲られました。

 しかし、本当にアフガニスタンを盗ったのは、現時点では中共です。

 極めて簡略化して申しますと、まず米露の資源利権獲得戦争を制していたはずの米国は、この末期に於いて傀儡のアシュラフ・ガニー大統領を制御しきれず、また米軍自体の駐留判断(撤退)を誤っていたため、まんまと中共と手を組んでいた(米政府もそうと知っていた)ターリバーンに国家の中枢を占拠されてしまったわけです。

 つまり、アフガニスタンの資源利権をこのわずか数年でほぼ掌握したのは、長年の泥沼を経ても果たせなかった米国でも、その米国に勝てなかった露国でもなく、世界のどこにいても盗人猛猛しい中共でした。

 今後中共は、ターリバーンに資金提供し続けることになるでしょうが、そうしてアフガニスタン国内で想定される大混乱や他の回教原理主義組織の台頭をターリバーンに抑えさせるにしても、必ずもたなくなります。

 そして、ターリバーンに裏切られるでしょう。中共は、投資した分をほとんど回収できないままアフガニスタンから追い出されます。

 「回教徒」と一言では申せませんが、中共はあまり回教徒を甘く見ないほうがいい。

 一方、ターリバーンの治世をどう見るかはアフガニスタン国民の問題であり、その良し悪しはともかくとして、米軍駐留規模の回復判断を選択しなかったジョー・バイデン民主党体制では、アフガニスタン奪還の手も足も出ないでしょう。

 米国のこの失敗を、わが国は徹底的に批判して何か別の譲歩を引き出すべきですが、横浜市長選挙一つうまく事を運べないようでは、なかなかそうもいかないようです。ただ、しばらくの間でも中共の勢力圏が拡大したという危機感は、正しくもたねばなりません。

 平和と人権をことごとく破壊してきた中共は、間違いなくアフガニスタンを自分たちにとって都合のよい「破壊工場」「破壊流通路」にします。自国を悪用されたとターリバーンが気づくのに、恐らく時間はかからないはずです。

 わが国はただそう仕向け、その時を待てばよいでしょう。

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