日露…実は進展したアレ

皇紀2676年(平成28年)12月18日

 http://www.sankei.com/politics/news/161217/plt161217……
 ▲産經新聞:【プーチン大統領来日】なぜ安倍晋三首相は日露防衛協力を急ぐのか 膨張する中国脅威、露との間にくさび

 賢明な読者の方がコメントを寄せてくださったように、目下の報道にふれても日露首脳会談の成果がわからないでしょう。成果があったのか、何となく各社が言うように成果など一つもなかったのか。

 私がこの会談の約二か月前に「もう駄目だ」と申したのは、首相官邸主導が崩れ、現行憲法(占領憲法)体制で米国のバラク・オバマ政権に怯えた外務省の介入を(本来外交は彼らの責務ですが)許し、露政府側の不信を買ったためでしたが、安倍晋三首相が唯一自ら作り出した成果は、恐らく米国のドナルド・トランプ次期大統領との非公式会談にありました。

 たまさか昨日、某氏との懇談で話したことですが日露講和の鍵は、何度も申しますように千島列島全島と南樺太のうち大東亜戦争の結果として四島のみに日本人が再入植するとして、将来にわたってその四島に「まさか日米安全保障条約を適用させることは絶対にない」と安倍首相がウラジーミル・プーチン大統領に確約することです。

 それが確かなものと証明されれば、共同経済活動名目の再入植から返還へと動くかもしれません。しかしながらこれを確約するには、安倍首相が米国大統領と事前に話し合って決めておかねばならないのです。

 プーチン大統領は、決して中共の習近平国家主席、いえ、中共共産党そのもののことなど全く信用していません。それでも中共との信頼関係を口にし続けてきたのは、産經新聞社記事にある日露防衛協力に安倍首相が踏み切れるかどうかを一つの試金石としたからです。

 今回の首脳会談で平成二十五年十一月に一度だけ開かれた日露外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)の年明け再開が決まったことは、今後の本格的な成果に繋がる可能性を持つたった一つの成果と申しておきます。

 トランプ次期大統領との公式会談は、来年の一月二十七日ごろの予定ですが、安倍首相は彼から「北方四島への日米安保適用なんてやるわけないよ」という言質を取れれば大成功です。

 恐らく非公式会談で既に安倍首相は、その手ごたえを得ていたはずであり、うまくいけば日露米の防衛協力をもって中共を包囲する構想まで、安倍・プーチン・トランプの三首脳によって出来上がるかもしれません。

 これは、オバマ大統領のままでは叶わなかった構想であり、端的に締めくくるなら安倍・プーチン両首脳にとってオバマ大統領は、何かとそりの合わない「障害物」でしかなかったのです。

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『日露…実は進展したアレ』に2件のコメント

  1. 心配性:

    マスコミやジャーナリストの意見は、「外交音痴の安倍総理は、まるで赤子の手を捻るようにねじ伏せられた。」というものと、「ウクライナやシリアなど国際情勢を無視し、更にはオバマ大統領の面子まで潰して、プーチンと握手してしまった。何たる国際感覚の欠如!」といったものに大別されるようです。

    一方報道によると、ロシアの国内向けメディアは、待ちぼうけを食わされる安倍総理の写真を大きく掲載して「日本は領土問題で待つことを選択した」と強調したり、「ロシアが交渉で勝った。大勝利なり。」と‟大本営発表”を繰り返したそうです。
    島々が今すぐ返ってくると期待した日本人は少ないでしょうから、敢えて「勝った、勝った」の大本営発表を行う必要があるのか?との違和感を感じました。

    様々な報道に接してはいますが、具体的に何が失敗して何が成功したのか、素人の私にはまだよく分かりません。

    最近この北方領土問題に関して、鈴木宗男氏と共に、「腐れヤマト」だの「日本人は植民者」だのと公言する某肥満体の御仁のメディア露出が激しい為に、思わず交渉そのものの妥当性を疑問視しかける自分がいました。

    余談ですが、この某御仁のせいもあって、私は、再び縄文あたりからの日本列島の歴史やら、言語やら、神話やらを学び直すという非常に面倒くさい事を初めてしまいました。
    「古事記の神話は、北方ユーラシア的神話と南方的神話のミックスである」という日本の研究者の主張が果たしてその通りなのか、昔読んだ『古事記』を再び読み返しているところです。

    『古事記』や『日本書紀』は漢文で書かれていますので、当然書いた人々は、中国の文献を読みこなし、中国の思想や文化に精通していたものと思われます。
    日本の研究者が主張する「天」だの「父系原理」だの、「ユーラシア的」なるものは、「中国文化を学習した結果」として片づけられるものが多く、それ以外部分が「日本的」という事になります。
    この「日本的」な部分とは、「弥生的農耕文化」や「縄文の名残」や「東南アジア風」であり、これがまさに神話において「大部分」を占めているといった印象を強く持ちました。

  2. coco:

    今回の日露両首相の会談の主要テーマは領土問題ではなく、中共に対する安全保障上の観点に重点がおかれたのではないか・・・との意見は目にしていましたが
    こちらのエントリーを拝読して、大変納得がいきました。

    多くの人に読んでいただきたいのでFBで引用元明記のうえ、転載させていただいても宜しいでしょうか?

    日本のメディアの報道からは真の国際情勢も、今回の会談の意義も伝わってきません。
    外交とは、対露、対米、対中、個別に存在するはずもないことを私達が理解し、それぞれが日本の針路について真剣に考えなければならないと思います。