安倍・橋下会談、その行方

皇紀2675年(平成27年)6月15日

 http://www.sankei.com/politics/news/150614/plt150614……
 ▲産經新聞:安倍首相と橋下氏が会談 国会運営で意見交換か

 五月十八日記事で申したように、いわゆる「大阪都構想」に関する住民投票が否決されても安倍晋三首相と菅義偉内閣官房長官はいわば「ノーダメージ」でした。

 それを投票前に「安倍官邸と橋下徹市長は一体」という情報を流布して回った大阪維新の会諸氏は、安倍内閣まで潰す気だったのでしょうか。菅官房長官が賢く立ち回り、安倍首相が憲法問題での連携を視野に橋下市長を見捨てなかったことは、官邸が都構想の詳細を全面的に支持していると連想させたのかもしれませんが、よく聞けばどの発言も絶妙なさじ加減でそうは踏み込んでおらず、維新関係者の態度は極めて悪質でした。

 五月二十四日の講演でも西村眞悟元防衛政務官が都構想の出鱈目を指摘しており、協定書に目を通せばとても賛成できる代物でなかったことは誰の目にも明らかです。安倍首相は膠着した地方自治に改善を求める意味で理解を示し、橋下市長の利用価値に着目していたのであって、それ以上のものは何もありません。

 さて、そこで今回の会談です。東京都港区内の某ホテルで三時間に及び、同席したのは菅官房長官と維新の党顧問の松井一郎大阪府知事で、松井・橋下両氏は事前に同党の松野頼久代表と柿沢未途幹事長とも会談しています。

 維新の「数」を野党側(特に民主党)に持っていかれないようすり合わせがあったようで、再編があるとすればむしろ維新の中で旧結いの党から野党側に移る者が出てくるかもしれません。

 任期満了で市長職を辞す橋下氏にとっては、安倍首相と会談することで「まだ死んでいない」と誇示できますし、とすれば橋下氏の国政への進出は全く否定されないのです。今の安倍内閣は、使えるものなら全て使うでしょう。そのようなしたたかさを備えたからこそ(善し悪しの評価はともかく)第一次内閣のころとは違うのです。

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『安倍・橋下会談、その行方』に1件のコメント

  1. EVA100:

    どうやらここで書かれてることがほんとみたいですね。橋下の今日のツイートで会談の結果でたらしいですわ。
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150615-00000034-jij-pol
    維新は民主と一線画す」=ツイッターで橋下氏
    時事通信 6月15日(月)11時51分配信

    遠藤先生は安倍総理か菅長官に昨夜のうちに聞いてたんですか?