自民党の山村振興法改正案

皇紀2675年(平成27年)1月20日

 http://www.sankei.com/economy/news/150118/ecn150118……
 ▲産經新聞:自民党、人口対策掲げ、山村振興法を改正へ 特産品作りに交付金

 本日は、大いに批判されることを覚悟で本当の「本当のところ」を述べましょう。それは「本当」であればあるほど既成概念を覆すので、多くの人たちの不快を誘うでしょうが、わが国のためを考えればこのような意見もあると思ってお目通し願いたいと存じます。

 自民党は十七日、山村の人口減少を食い止め、特産品作りを支援するための山村振興法改正案を、今月二十六日召集の通常国会に提出する方針を固めましたが、私はこれに断固反対します。まったく余計なお世話なのです。

 まず、中韓など近隣国から労働者を物のように国策輸入してでも人口規模を一億人程度に維持しなければならないという政官の考えが基礎にあり、間違っています。

 人口減少に比例した雇用の抑制に伴い、賃金水準を拡大できれば、わが国の労働生産性は上がるのであり、そもそも高齢者の増加がいつまでも続くわけではありません。あと二十年もすれば、出生率を高齢者死亡率が上回り始めるのです。

 次に、際限なく市街地を外へ広げようとしてきた地方の都市計画こそ間違っています。この二点について、私は何度も申してきました。

 中心市街地に行政サービスと人を集約することで、便利を求める多くの国民の需要に応え、不便と引き換えに自然の静寂などを求める国民が適当な土地を手に入れやすくなります。現状ではかなり思い切って山村にでも逃げ込まない限り、求める環境が手に入りません。

 ここからが議論のあるところですが、消えゆく山村はそのまま国有原野に還せばよいのであって、村長や村議会の既得権益維持のためもあって、無理に存続させようというのが今回の自民党改正案なのです。

 そのようにしておいて、山村住民に対する行政サービスはどうするつもりですか? 国策として振興してしまえば、それに伴う行政責任も拡大され、保障できないことを説明しないまま美辞麗句だけで国民を騙すことになります。ならば「医療も何もかも届きません。それでも山村が好きな方はどうぞ」と直言すべきなのです。

 ここが「嫌われる点」なので誰も言いません。しかし、言わなければ嘘になるのです。その嘘で「地方はすばらしい」などと誤魔化されても、地方経済の疲弊を解消できません。

 私が農業の再生を提言し続けてきたのも、それが地方の安定的所得源の核となりうるからであり、そのことと今回の改正案は、実のところまるでかみ合っていないのです。

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『自民党の山村振興法改正案』に2件のコメント

  1. はな87:

    どうして批判されると思われたんでしょうか?こういうことにも目が行き届かれるところが遠藤さまの凄いところで、実際に政策提言されてるからだと思います。私は改悪反対に賛成します。

  2. 一般ピープル:

    私もこの意見には賛成です。

    そこに住みたい人間は、その選択に対して「現状」の形で受け入れるのが筋だ。

    その土地が都会化されて便利になるのに合わせて自然が減る土地に住むのであればその現状を、自然は豊富だが開発されないままの土地に住むことを選ぶならその現状を、それぞれ受け入れれば良いだけ。

    何でも国にやってもらおうというのは、考え方としてどうかと思う。