現場に数値目標だけの圧力
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八月二日(土曜日)から十一日(月曜日)にかけ、都合により、記事内容を縮小してお届けします。何卒ご了承ください。選りすぐりの報道配信記事ご紹介と短い意見または情報、或いは記事のご紹介のみになりますが、引き続き皆様のご支援を賜りたく存じます。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140731/crm140731……
▲産經新聞:実はワーストだった大阪の街頭犯罪 府警全署で計8万件超計上せず「組織ぐるみではない」
決して大阪府警察をかばって申し上げるわけではありませんが、予算を掌握する権力者(この場合は大阪府知事、一般には社長など)が、ただひたすら数値目標だけを掲げて「何とかしろ」と現場に圧力をかけると、結果は「帳尻合わせの誤魔化し」にしかなりません。ほとんどの場合でそうです。
ところが、わが国の行政も立法も地方自治も、よく数値目標だけを掲げ、その策の目的とその意義、多くの理解と協力が得られる手段などをまったく示さないことがあります。
なぜそれをやるのか、やるにはどうすればよいのか、といったことが抜け落ちたまま、ただ「何%にしろ」という目標には、実は何の意味もないのです。
大阪府警のいくつかの現場で起きたことを批判するのは簡単ですが、誰もがこの状況で「絶対にこうはならない」と言い切れますか? 府知事の発言に対して府警のこの結果は、起こるべくして起きたことなのです。
今回一点だけ大阪市の橋下徹市長(当時府知事)を評価するなら、この過ちを認めて「お侘び」を口にしたことでしょう。彼は自らが無責任な権力者だったことを自覚したのですから、今後は府警においてもこのようなことが起きないよう、気をつけていただきたいものです。
ただ、大阪府警の警邏・巡回は本当に見事なもので、うちの研究所がある周辺の警邏も、ほとんど毎日のように、しかも早朝から深夜に至るまで行われています。
いわゆる「見当たり捜査」で逮捕した指名手配犯の人数は、大阪府警がダントツです。彼らは、別に事件を見逃そうとして手を抜いていたわけではありません。(不正処理ですが)数を数えなかっただけです。
七月三十日記事で申した「男性の育休取得率十三%目標」も、この手の駄目な上司による無意味な指示でしかありません。