愚者ほどバラマキに依存

皇紀2674年(平成26年)7月3日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140627/plc140627……
 ▲産經新聞:「きめ細やかな広報を」 臨時給付金で首相

 すっかり申し忘れていたことなのですが、臨時給付金(バラ撒き)ほど間違った政策はありません。このようなことをするのであれば、全品目一律の消費税率引き上げ決定を撤回すればよかったのです。

 いよいよ今月からの経済指標が、次なる十%への引き上げ判断の材料となるわけですが、給与はかつて下げられた低水準のままなのに、物価ばかりが上昇しています。

 何度でも申しますが、デフレーション(デフレ)というのは、物価よりも給与が下がっている状態を指すのであり、安倍晋三首相も日本銀行も物価上昇に関する数値目標しか示していません。

 それで企業は給与を上げられるだろうという目算を立てておきながら、外国人労働者(事実上の移民)大量受け入れ政策なんぞを掲げるものですから、当初最重要課題だったはずの「デフレ(給与下落)脱却」がまるで果たせないのです。

 目下の物価上昇にしても、単に材料費の高騰や収穫量、またはそもそもの飼料不足などによる商品単価のやむをえない値上げであって、ほとんどの企業は給与水準を引き上げられる環境にありません。

 しかし、購買する側に立てば物価上昇に変わりはなく、先月からは毎年のことながら住民税の納付も始まりましたから、もう絞れるところもないまま生活苦が始まるのです。

 中低所得でもかなりの納税額が通知されますから、もう「生活保護のほうがマシだ」という気持ちになる人もいるでしょう。それほど、現下のわが国は不公平なことだらけなのです。

 そこへ特定条件を設けて臨時給付金をバラ撒き、しかもその広報にまたぞろ行政費用がかかるというのですから、納めた税金を無駄遣いされているのは明白でしょう。

 バラ撒くくらいであれば、納税に関する免除条件を拡大すればよいのです。政府税制調査会は、配偶者控除の廃止に待ったをかけてくれたまでは結構でしたが、中小企業の法人税率(国税)を引き上げようとしています。

 大企業は引き下げるのに、中小企業には「これまで優遇されてきたのだから、うんととってやる」というのは、企業の所得規模に応じた適正を狂わせ、「誤った平等」の論理で「弱いもの虐め」をしているに過ぎません。そのようなことをするくらいなら、法人税率引き下げの議論をやめればよいのです。

 安倍政権の経済政策は、外交・安全保障政策はともかくとしても、まったくなっていません。もう一度申しますが、今日「アベノミクス」などという現象は、もう存在していないのです。

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