全拉致被害者帰国しかない

皇紀2674年(平成26年)7月2日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140630/chn140630……
 ▲産經新聞:中国軍ナンバー2党籍剥奪 習指導部 軍掌握へ賭け

 或る産經新聞社記者の見立てでは、中共の徐才厚前中央軍事委員会副主席の党籍が剥奪されたことをもって、共産党人民解放軍が習近平国家主席に集団で造反し始めるかもしれないというのですが、本当にそうでしょうか。

 胡錦濤前主席は、ついに共産党軍をうまく制御できないまま役割を終えましたが、習主席はすでに軍をほぼ掌握しています。彼らと運命を共にするかのように、外交部を厳しく叱責したこともあるようです。

 徐氏は、胡前主席に近い人物でした。上記産經新聞社記事の最後にあるとおり、習主席は、胡一派を一網打尽にすることで軍に忠誠を誓わせ、自らも軍と一体の政策を進めているのです。この記事のニュアンスのほうが正確でしょう。

 さて、習主席が軍と一体化して外交部を叱責したのは、北朝鮮問題でのことだった、と私は聞いています。

 その詳細は申せませんが、とにかく三日から始まる韓中首脳会談と関連して、まず北朝鮮を崩壊させ、韓国による朝鮮半島の統一を習主席が望んでいるということです。もちろん、在韓米軍の完全排除が条件であることは、申すまでもありません。

 北朝鮮の弾道弾発射について、六月三十日記事で私が申したことと、わが国の報道各社の解説はまったく異なっていましたが、某社の「これでも日朝協議に応じるかどうか、北朝鮮は日本を試した」という分析のほうが間違いです。

 金正恩第一書記は、ドル送金だけでなく原油供給まで(本年一月から)止めた中共に激怒しており、その中共と韓国が秘密裏に北朝鮮崩壊後の半島統一を話し合っていることもおそらく聞きつけ、残された唯一の対日接近という手に出ました。

 ですから、本当に北朝鮮は困窮しきっているのです。中共を脅すにも原油がなく、それで韓国に嫌がらせをしているに違いありません。韓国の朴槿恵大統領は、習主席に騙されているとも知らず、在韓米軍の撤退要請へと舵を切りなおす可能性も出てきました。

 米国政府の大筋は、確かに在韓米軍を引き上げたいのであり、一方で北朝鮮の核兵器開発をやめさせたいと思っています。よって、いざとなればわが国に自衛隊を派遣させ、統一資金も援助させたいのであって、これが安倍晋三首相の自衛権をめぐる解釈改憲謀略の正体です。

 だからこそ、それまでは何が何でも日韓関係を友好のうちに維持させられ、北朝鮮崩壊の手助けをさせられるのでしょうが、これが中共の思うツボだとなぜ分からないのでしょうか。

 在韓米軍のいない韓国など北朝鮮と何も変わりません。これらの策謀をすべてひっくり返すには、北朝鮮が本気で拉致事件の全被害者を即時わが国に帰国させるしかないのです。

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『全拉致被害者帰国しかない』に1件のコメント

  1. まいこ:

    2日のアンカーで青山さんは
    ミサイル発射が韓国向けだと北朝鮮から直接安倍総理に連絡があったと聞いて驚いたとおっしゃってました。
    そして今の北朝鮮は米中から日露に重要国をシフトさせてるとのことでした。

    これらは遠藤先生が先月末にお書きになったことやロシアと緊密になった安倍総理だから交渉するようになったという分析と合致してます。
    私が驚いた!!