日本置きざり資源政策転換

皇紀2674年(平成26年)6月14日

 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0EM06I2……
 ▲ロイター:過激派がイラク北部のモスル掌握、首相は非常事態宣言を要請

 世界は今、大変なことになっています。何がどうかと申しますと、回教スンニーの過激派「イラクとレバントのイスラム国(ISILまたはISIS)」が新しい回教国家を建造してしまうかもしれない、ということなのです。

 イラクは、北部にある第二の都市モスルがISILの手に完全に堕ちており、首都バクダッドの陥落もそれほど時間を要さないかもしれません。

 ヌーリー・マーリキー首相(回教シーア)は、恐らくこの問題と対峙する能力を有しておらず、そう申し上げられる根拠は、これをイラク国内の問題と思ってはいけないことと関係しています。

 私がシリア問題について、化学兵器を使用したのはバッシャール・アル=アサド大統領(回教アラウィー)側ではなく、むしろ反体制派のほうだという情報があると指摘し、わが国が米国に協調する条件は「体制側が化学兵器を使用したという間違いのない証拠の提示」とすべきと申してきた中で、実は浮かび上がってきていたのがISILなのです。

 いわゆる「反アサド」を苦しめていたのは、体制側ではなくISILでした。しかしISILは、アサド政権に反目するスンニーであり、結託して反体制派を殺戮していたわけではありません。ISILは、あくまでシリアを実戦の場に利用したのであり、欧米人戦士もたくさんいるのです。

 いわばシリアで鍛えられた戦力がいよいよイラクを掌握しようというところまできたのであって、北部バイジの国内最大規模の製油所も今やISILの支配下にあります。

 こうなりますと、ISILはただの破壊活動(テロリズム)集団として扱われません。彼らの行いはもはや「革命」であり、よって「新国家建造」なのです。

 米国のバラク・オバマ大統領が米軍派兵を否定したのは、さだめしこの情報をつかんだからでしょう。確かに彼は外交・安全保障の「ど素人」ですが、米軍が容易に手を出せる状況ではないのもまた確かなのです。

 中共は「米国弱体の隙に……」などと勘違いしないほうがよいのであり、わが国はこれを中東の変遷期であると認識するとともに、資源政策の転換が日本を置きざりにして始まっていることを自覚しなければなりません。

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『日本置きざり資源政策転換』に2件のコメント

  1. ゆき:

    イランと米国は、アルカイダと関わる武装反乱軍を叩く時は手を結ぶ。イラン系民族タジクが、タリバンと闘っているときは、米イランは共闘。今回もオスマントルコが大戦で破れて、支配下にあった地域が英仏の手に落ちてから国境線が引かれイラクやシリアになった。クルド(北東)、シーア派アラブ(南東)、スンニ派アラブ(西)がイラクとしてスタートした。シーア派回廊をイラクを通じてシリアまで伸ばしたいイランにとり、イランの傀儡マリキが負け、スンニがイラクを支配すると大変なことになる。ここでまた米イランが共闘するのだろうか。原理主義とアルカイダは米国に取り、どちらがましかである。議会も機能していないので、
    宗派争いは武力でしか解決しえないのだろうか。泥沼である。エネルギーも不安定になる。

  2. ゆき:

    中東とは関係ありませんが、コンゴで象が大量に殺されているそうです。ヘリコプターからコンゴの兵士やテロ集団が射撃して、のこぎりで象牙を切り、日本などのアジアに売って、それをボコハラムなどがテロの資金にしているそうです。資金源になると象は絶滅するのではありませんか。日本も買っているのは悲しいです。