中共は対中包囲網を警戒

皇紀2674年(平成26年)1月25日

 http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/371842/
 ▲新華社通信:村山元首相が安倍首相を批判、「靖国参拝は間違い、日本全体を犠牲にした」―中国メディア
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140118/plc140118……
 ▲産經新聞:【産経抄】 過去への反省なし、元気な元首相たち

 中共国営新華社は二十二日、東京都内で開かれた日中友好協会の座談会で、村山富市元首相が「対中包囲網」の構築について「小さな日本がなぜ広い中国(※注=中華人民共和国)を包囲しようとするのか? その必要があるのか? 日本にとって最も重要なのは中国、韓国や亜州諸国と信頼・友好関係を築くこと。これこそが日本の首相の職責だ」と発言したことを報じました。

 安倍晋三首相が靖國神社を参拝したことや、私たちが「沖縄県石垣市尖閣諸島がわが国の領土である」と言い続けることにも、村山元首相は批判を加えています。

 そして、安倍首相が日中の対話の扉は「常に開いている」と述べてきたことにも、靖國参拝や領土主張が原因で「対話の扉は閉じられた」と吐き捨てました。

 はっきり申します。村山元首相は中共が用意した台本を読んだだけでしょう。目下、中共が安倍政権に対して気になっていることを、気になっている通りに発言出来ています。これはあまりにも出来過ぎました。

 最も重要なのは、靖國や尖閣に言及した部分ではありません。対中包囲網に言及した部分こそ最重要であり、その表現がいかにも「中華的」なのです。「小さな日本が」という表現をよく覚えておいてください。

 私は前日に執筆した二十二日記事で、中共がわが国主導の「対中包囲網」の構築に本気で警戒し始め、各国首脳がソチ冬季五輪大会の開会式出席を見送る中、安倍首相が訪露を決めたからこそ、実は出席する気がなかった習主席も急いで訪露を発表したということにも、それは表れている、と申しました。

 中共の情報当局は、安倍首相の訪露は国会の日程などから「無理だろう」と考えていたらしく、開会式出席の報に驚いたようです。中共は、安倍首相がそうまでしてウラジーミル・プーチン大統領を味方につけようとしている現実を知り、日本と利益を共有した露国ならば対中包囲に手を貸す可能性があるため、日露首脳が会うのなら、と露中首脳が接触する機会を設けたくなったに違いありません。

 二十二日記事に対して読者の方が指摘された通り、実は日中首脳会談の開催日は近づいています。中共は、いよいよ安倍首相と話をしなければならなくなっていることに気づいているのです。

 ただ問題なのが、「その前に日韓首脳会談を開いておくべきではないのか」という意見への対処であり、私は安倍首相がこれを跳ね除けてもよいと考えています。日中が話し合ってしまえば、韓国政府は焦って寄ってくるでしょう。話はそれからでも全く遅くありません。

 それに韓国のことを考えてくれるほど、中共は「反日スピーカー」に過ぎない韓国に優しくなどなく、わが国と話したくなれば韓国を無視して我先に、と会談日程を組むでしょう。村山元首相も「中共共産党スピーカー」に過ぎませんが……。

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