アベノミクス失敗の挽回策

皇紀2673年(平成25年)12月20日

 http://www.cnn.co.jp/business/35041630.html
 ▲CNN:米FRB、量的緩和の縮小を発表 来年1月から

 米連邦準備制度理事会(FRB)は十八日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)での二日間の議論を経て、来年一月から量的金融緩和第三弾(QE3)の縮小(テーパリング)を決めました。

 簡単に申しますと、FRBは米経済が世に言う「リーマン・ショック」からようやく脱却したと判断し、世の中をお金でジャブジャブにしてきたのを少しずつやめようということになったわけです。よって、いわば出回るドルの量が減らされますから、ドル高になって相対的に円安になります。

 私は以前、FRBのベン・バーナンキ議長がテーパリングに言及しながらも踏みとどまった功罪について述べ、退任を前にそれを発表するのは難しいだろうと予測しましたが、縮小規模を小さくしたことで乗り越えました。

 一方、ゼロ金利政策が継続となったことから、ドル高は緩慢に推移し、現在まだなお異常な円高がそう簡単に円安基調へ転じるとは思えません。新興国の反応が安定したのはよいのですが、欧州経済の復調が著しく遅く、わが国にとって米経済の好調頼みとはいえ、輸出額を拡大出来るとまでは言い切れないのです。

 むしろ安倍政権の経済政策(アベノミクス)こそ失敗して、日本銀行が「量的緩和地獄」に堕ちるかもしれません。現に消費税率引き上げの来年四月以降、黒田東彦総裁は「金融で対処出来る」と語っており、しかしながら追加緩和だけで国民経済がよくなったりしないのです。

 何度も申しますが、成長戦略と量的緩和と財政出動は、この順通りに一気にやらなければならなかったのであって、既に安倍晋三首相はつまづいています。

 十一月の貿易収支赤字(原数値)が同月として過去最大に膨らんだという報は、円安に関係なく高騰する燃料費だけがその要因でなく、海外に生産拠点を置いた企業がわが国に還っていないことを表しており、すなわち給与を含む雇用状況も決してよくなっていないのです。これを改善するには、円安の定着が必要です。

 また、目下の家計消費水準も安倍政権発足前より実は悪化しており、大企業が経常利益を上げ始めたものの、中小企業の殆どが横ばいはおろか下げ始めています。内需(景気)が回復しないのはこのためであり、たとえ株高になっても、私たち国民の多くが株式などの証券資産を保有・運用していないので、お金の流れが全く活性化しません。

 日本共産党ではありませんが、大企業優遇で家計を圧迫する税制改正は、安倍政権自身の首をも絞めますから、絶対に私たちが声を上げてやめさせることです。

 いかに実体経済を浮揚させることが重要か、これでお分かりいただけますでしょうか。新資源の採掘・商業化と食糧自給政策に本腰を入れ、安倍首相自ら記者会見を開いて大きく発表するだけでも、アベノミクスの失敗は回避出来ます。

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