これこそ本当の特定秘密
天皇陛下と皇后陛下は先月三十日から六日までの日程で、歴代天皇初の御訪印を果たされます。昨年四月、日印国交樹立六十周年を迎え、印政府から御行幸の要望がありました。
今上陛下は、皇太子殿下であらせられた五十三年前にも訪印されていますが、一日午前、首都ニュー・デリー中心部にあるロディーの霊廟庭園で地元市民から熱烈な歓迎を受けられ、日印両国民の緊密な関係の維持に両陛下が尽力されます。
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http://www.47news.jp/47topics/e/247996.php
▲47NEWS(共同通信):陸自、独断で海外情報活動/首相や防衛相に知らせず/文民統制を逸脱/民主国家の根幹脅かす
陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班「DIT」)が、米ソ冷戦時代から首相や防衛相(旧防衛庁長官)に知らせず、独断で露国、中共、韓国、東欧などに拠点を設け、他省庁職員や商社員などに身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが先月二十七日、陸上幕僚長経験者や防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信社の取材に証言して分かりました。
小野寺五典防衛相は同日夜、「陸幕長に過去と今、そのような機関があるのかという確認をしたが、ないという話があった」と述べています。
目下、参議院で審議中の特定秘密保護法案を巡り、私が最初に示した修正提言の一つが、処罰の対象を公務員のみならず国会議員にも広げることでした。はっきり申し上げて、与野党を問わず国会議員による対外機密漏洩こそ頻度が高く、危険なのです。
よって関連書類などもないはずで、小野寺防衛相が知らないのは当然であり、必ず大臣にまで上がる情報とそうしてはならないものがあったのは、機密保護のために必要な措置でした。何の驚きもありません。
DIT(防衛情報チーム)は、属する数十人全員が旧陸軍中野学校の後継とされる陸自小平学校の「心理戦防護課程」修了者とされ、任務に就く際には自衛官の籍を抹消されます。得られた情報は出所を明示せずに、陸幕長と情報本部長に上がる仕組みが整っていたようです。
共同通信社は、これを「文民統制の原則や民主主義に反する」などと非難していますが、問題の論点は、占領憲法(日本国憲法)を有効とした場合の法的根拠と、やはり発足当初は米陸軍の指揮下にあったこと、情報活動がわが国の国益を守るためであったか否か、首相の政治決断に活用されなかったのはなぜか、属した「元自衛官」たちはどうなったか、予算はどこから計上していたか、ということにあります。
つまり、結局は最初に示した「占領憲法を有効とし続けた政府」そのものが根拠となって、米軍片務の日本防衛を支えるべく、自衛官は米陸軍のための情報活動をしていたのであり、四日に発足する国家安全保障会議(NSC)が目的とする本来の運用も、占領憲法下では殆ど出来ないことが、この事実の発覚によってむしろ明解になったと言えるのです。
もしも政府と国会がDITの実態を中途半端に公表してしまえば、現場の自衛官は極めて危険な立場に追い込まれるでしょう。それが禍根を残し、今後はわざと誤った機密情報をもたらされ、首相の政治決断を狂わせるという恐ろしい事態すら招きかねません。
情報というのは、共同通信社が書き立てるほど簡単なものではなく、だからこそ「国民の知る権利」という定型句は、法案反対の矛にならないのです。