またNHKがやらかした?

皇紀2673年(平成25年)4月3日

 http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130401/……
 ▲産経新聞:原発容認で出演中止 NHK番組 「意見変えて」要請

 日本放送協会(NHK)は昨年十一月二十八日に放送した『クローズアップ現代 “ジャパンプレミアム”を解消せよ~密着LNG獲得交渉』で、出演を依頼していた日本エネルギー経済研究所の十市勉顧問が取材過程で原子力発電所の再稼動を口にしたため、十市氏に出演中止を通告していたことが分かりました。

 番組内容は液化天然瓦斯の価格高騰を指摘するもので、わが国の重要な資源外交や電力供給の安定に言及していた模様ですが、その中で原発再稼動の是非にも言及することが決して悪いことだとは思いません。

 しかし、制作者にはそれなりの意図があるのも当然であり、どのように編集するかは制作・著作権を有するNHKの自由ですが、かつてここで教育番組の『NHK短歌』にさえ「天皇制」という政治用語を駆使し、それを否定した歌の掲載を許していたことを取り上げたように、特に報道・情報番組での政治的偏向は歴史的に於いても認めてはならないことです。

 私は何度も「保守派が考える脱原発」という問題を提起してきましたが、報道各社の「極左活動家による極端な反原発」言論に彩られた様を極めて危険視してきました。これでは皆が原発の今後を破壊活動の視点でしか考えなくなるからです。

 わが国の政治論壇が非常に未成熟なのは、例えば「脱原発」を提唱する者は左翼であり、「一票の格差」を問題だと指摘する者も左翼であるといった思考停止を議論の前提に置くことでしょう。

 電力の安定供給や資源政策が特定の政治思想の上でしか語られない問題だと私は夢にも思いませんでした。このようなことでは、わが国のさらなる発展と国家安全保障の兵站を政府が遂行できません。それこそがわが国の不幸の始まりなのです。

 そして、その仕掛けは間違いなく「国家安全保障」そのものを否定し、私たちに無気力と無思考、無批判を植えつけてきた破壊活動論壇が始めたもので、今や保守論壇までもが主張こそ真逆なものの全く同じことをしているのです。

 資源や電力の問題は公平に取り上げられるべきであり、NHKは意図的な間違いを犯しました。まるで「またNHKがやらかした」といって右翼が抗議することまでを想定し、ますます脱原発を技術的に思考する土壌までわが国から奪おうとしているようにも見えます。産経新聞社の取り上げ方からもそれが臭うほどです。

 断っておきますが、義国(イラン)問題でも申したように、核開発と核兵器開発は違います。もっと申しますと、原発と原子炉研究、核兵器開発は関連するが別分野であり、このうちの一つをやめても他の分野に影響しません。それが破壊活動家には分からないのであり、保守論壇でも正しく理解されてはいないようです。

 資源を輸入に頼らない資源開発こそ国家安全保障上最大の課題であり、安倍政権が示すべき成長戦略の要に他なりません。折角の情報番組でも視聴者が何ら思考を刺激されないのでは見ていても仕方がないでしょう。何度も申しますが、皆様は見るのをやめるべきです。

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『またNHKがやらかした?』に1件のコメント

  1. 食品も:

    保守を標榜されている方は、食育にもこだわりを持たれていている方が多いようです。それはそれで文化を守り伝えていく上で欠かせないのですが、保守と言うならば、インスタント食品、冷凍食品や缶詰やレトルトを全面否定するのもどうかと思うんですよね。