中共包囲網の構築を急げ!

皇紀2673年(平成25年)2月2日

 http://www.newsclip.be/news/2013127_037024.html
 ▲newsclip.be:タイの高速鉄道バンコク―ピッサヌローク、9月に入札か

 安倍晋三首相は自らが掲げる大戦略(亜州の民主的安全保障ダイアモンド)を実践しようと政権発足から一ヶ月のうちに環太平洋外交に自身のみならず麻生太郎副首相、岸田文雄外相を各国に派遣しましたが、中でも安倍首相が訪問国の一つに選んだ泰王国(タイ)は東南亜外交上実は最も「厄介な国」と言えるのです。

 泰王国の首都曼谷にある高架鉄道(BTS)も地下鉄も全てわが国の政府開発援助(ODA)によって敷設され、特に地下鉄の各駅構内にはその事実をもって日本に感謝する旨が記された看板も設置されていますが、建設受注を日系企業が独占するには至りませんでした。

 これは外務省が私たち国民の利益も勘案して血税を途上国に投入するという考えの全くないことに原因がありますが、一方、国内を縦断させる高速鉄道敷設計画が中共に横取りされようとしているのには、もっと別の理由があるのです。

 私たちの間では、越国(ヴェト・ナム)や比国(フィリピン)の領土領海問題、緬国(ミャンマー)の転向を始めとして東南亜諸国が中共との関係を断ち出したと見て、いわゆる「中共包囲網」の構築が容易になったと考える方もおられますが、特に泰王国と柬王国(カンボジア)は決して中共との関係を断ちません。

 これらの立憲君主国を中共がいわば配下に置こうとする欲望は、同時に共産党指導体制の正当化欲求からくるのですが、私が機関紙などにも寄稿して何度も訴えてきたチンナワット一族(タクシン元首相と現在のインラック首相)と中共共産党との関係はいまだ極めて親密です。

 安倍首相は当然この現実を知った上で訪泰したはずであり、私の知る限り泰王国はかねてより(申し訳ありませんがほぼ個人に至るまで)事大主義ですから、わが国が強く優しくならない限り彼らは味方になどなってくれません。

 「強い日本」を目指すと申せば革新派論壇から手始めに反発を食らいますが、今申したように強いことは優しいことであらねばならず、地政学上世界の安定に欠かせない極東のわが国が中共の侵略的野望から亜州を守らなければならないのです。

 高速鉄道については、昨年の十月に羽田雄一郎国土交通相(当時)が泰王国の受注に向けて日泰覚書の調印に臨んでおり、しかしながら弱い日本はまんまと裏切られました。泰政府は中共への事大をやめられないのです。

 中共各地で吹き荒れた「反日・反体制」暴動で外資が撤退を始め、山口県下関市に本社を置く会社は暴動の影響で倒産し、深刻な大気汚染で工場の操業を中止しなければならないような現在、わが国が相変わらず蚊帳の中で閉じこもっていてはいけません。

 安倍首相が描く大戦略はまさに外向的で、しかも占領憲法(日本国憲法)体制から脱却しなければ実現しないものです。私たち一人一人がその意識を持たなければ成しえない「強い日本」の復原は、本日申したような亜州の事情からも急がなければなりません。

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