日米離間に失敗する中共

皇紀2672年(平成24年)11月7日

 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121030/238785/
 ▲日経ビジネス:中国とは絶縁し東南アジアと生きる 「反日国家に工場を出すな」と言い続けてきた伊藤澄夫社長に聞く(上)

 亜州・欧州会議(ASEM)の会場で中共の温家宝首相は野田佳彦首相を無視しましたが、お二人とももう後がありませんから今さら話し合ったところで時間の無駄であり、そうでなくとも沖縄県石垣市尖閣諸島が議題にあがるような日中首脳の対話は決してすべきではありません。

 日本経済新聞社の鈴置高史編集委員は、伊藤製作所の伊藤澄夫社長との対談の中で日中対話の危険性について、「(日本が)話し合いに出た瞬間、中国(※)は『日本が中国の領有権も潜在的に認めた』と見なし、軍事力を行使しても世界から非難されなくなる、と考える」と言っています。(※=中共のこと)

 さらに「今まで中国が武力を使わなかったのは米国が空母打撃部隊を尖閣周辺に送って中国を牽制していたことが大きい」との事実を指摘し、にもかかわらず日中対話を始めればはじき出されるのは米国であり、そうして日米同盟を破綻させることが中共のもう一つの狙いではないか、とも言っています。

 昨日記事では尖閣諸島の「共同管理」をわが国に提案する対日工作機関の新設に関する中共の動きを取り上げましたが、何度も申してまいりましたように、日米は太平洋防衛という共通の価値観を有しており、そこに風穴を開けて太平洋のあらゆる権益を掌握したい理性に支配されているのが中共です。

 彼らが尖閣を狙う真意はここ数年で変化しており、当初は海底資源が目当てだったものの現在はその埋蔵量に疑問を持ち、むしろ米国と対等になろうという策略の元に太平洋進出の障害物を取り除きたい一心なのでしょう。そのためにはわが国から尖閣を奪い、沖縄県そのものを奪い、できれば米国が日本に不信感を抱くような方向へ誘導しようとしています。

 この「日米離間工作」に手を貸したのが鳩山由紀夫元首相であり、沖縄県内に侵入して目下も暗躍する対日破壊活動家(テロリスト)です。鳩山元首相の言動に核心的なものはありませんでしたが、中共の工作による「ふんわりとした世論」の操作(今回の温首相の態度も私たちを焦らせるための芝居だろう)だけで政策を猫の目のように変える政治家がわが国にいることは、まさしく日米の弱点以外の何ものでもありません。

 太平洋に進出される恐怖に駆られたかつての米国がわが国を占領統治する際、潰せないと知った皇室の弱体化を目論んでまで私たちに「日本は悪いことをした国だという自虐」を押しつけてきましたが、それがあたかも呪いか祟りのように米国を困らせ始めています。

 まもなく大統領選挙の結果が出ますが、国防総省にも中央情報局にまでも予算を削減せざるを得なくなった米国は、日本の自立なくして日米共闘で太平洋を防衛しきれなくなりました。この状況はバラク・オバマ大統領であろうがミット・ロムニー大統領になろうがほとんど変わりません。

 占領憲法(日本国憲法)の無効確認という法理論が確実に憲法論の机上に今乗り始めたのは、護憲はもちろんのこと改憲でももはやわが国が独立国として機能し得ないと気づき始めた人が増えたためでしょう。私たちが「日米離間」を恐れるのも、現状わが国のいわゆる「官僚政治」がただただ対米従属だからなのです。

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