人権問題を起こす移民政策
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121021/erp121021……
▲産経新聞:ロンドン支局長・内藤泰朗 人権に押しつぶされる英国
これは産経新聞社倫敦支局長が駐英体験を通した個人的見解に始まり、目下英国の不法移民問題を取材しています。倫敦大学のスクール・オブ・エコノミクスの集計結果を仮定とすると、何と英国では百人に一人が不法移民という事態に堕ちているようです。
その問題点は、まず外国人にかかる行政諸経費が年間二百億ポンド(約二兆六千億円)にものぼっていること、そして「人権」という美名の元に破壊活動家(テロリスト)が送還を逃れて釈放されたり、英国生まれの子供たちを強制送還できなくなることだと支局長は指摘しています。
この問題はさんざんこれまで私も述べてまいりました。不法滞在の男女が秘かに結ばれて子供を産み、のちに強制送還と言われてもその子供はどうなりますか。かつて(もうお名前は伏せますが)比国人の女の子を巡り、私は「この子が可哀想だ。なぜ(親が親となる前に)不法滞在を摘発できなかったのか」と法務省を指弾しました。
人間のすべての営みが政治家や官僚の指導どおりになるわけではありません。だからこそ水際で押さえておかなければならないことがあるのです。そこから逃げようとし、結果悲しい人権問題を多発させるのが今日の「人権運動」に他なりません。
欧州ではすでに多くの国が移民政策をやめようとしています。英国は外れの国だからか「周回遅れ」と言わざるを得ないでしょう。例えば墺国(オーストリア)は神聖ローマ帝国の頃から多民族国家ですが、首都維納(ウィーン)は伝統の相続として都市的独自色を大切にし、決して中共移民にさえ「中華街」のような定住部落を造らせません。
わが国では経済政策としての移民政策を推進する声があり、そのためには沖縄県石垣市尖閣諸島の購入を巡って東京都の石原慎太郎知事に日中関係悪化の全責任を擦りつけて謝罪を求める声までありますが、人口減少対策と労働力確保のために人間をモノの様に移動させる考え方自体が人権を侵害しているのです。これはなぜか誰も言いません。
人権とは「人が人として生きる権利」であり、それ以上でもそれ以下でもなく、人として生きるには社会的責任や義務が発生しています。それらを無視して法を犯せば罰せられるのであり、不法入国・滞在となれば強制送還は逃れられません。
欧米人の人権感覚を改めさせるのは容易ではありませんし、日本人の言うことなど彼らはほとんど聞きたがりませんが、恐らく近い将来この結論に落ち着く、いや落ち着かざるを得なくなると思います。それほどまでに国境を無視してやってくる博打金融と移民が国家を破壊し始めているのです。