橋下市長を斬った石原知事

皇紀2672年(平成24年)10月16日

 http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121013/……
 ▲ZAKZAK(産経新聞グループ):“橋下vs慎太郎” 憲法論でバトル勃発!“蜜月関係”ついに破綻?

 東京都の石原慎太郎知事は十二日、定例会見で「(現行憲法は)廃棄したらいい」との持論を繰り返し、都議会に私たちが提出した「占領憲法(日本国憲法)の無効請願」に賛同した「東京維新の会」の都議会議員三人に不快感を示した大阪市の橋下徹市長を「なまじ法律家だから」と斬り捨てました。

 私は最初からこのお二人の「連携」を伝える報道を一切無視してきましたが、「遅かれ早かれ決裂が表面化する」と周囲には話してきたものです。

 橋下市長という人物がいかに「国家継承」の基軸を持たない危険な「国家解体」派であるかは、「憲法を勝手に破棄するというのは権力者が絶対に踏み越えてはならない一線だ。国民としては怖いし、絶対に許されない」という認識に表れています。

 こうしてありもしない話を条件に恐怖を扇動するのは破壊活動家(テロリスト)の常套手段ですが、大日本帝國憲法を勝手に「改正」したと言い張った政府に対する批判力を失い、何が「中央との戦い」でしょうか。自ら「現行憲法は大日本帝國憲法の改正手続きでつくられた」と発言した時点で、彼は自分で帝國憲法の改正条項も読まずに国際法を含む法理原則を無視した政治家であり法律家だとばらしてしまったようなものです。

 むろん橋下市長だけが無思考であり無気力であり無批判なのではありません。都議会もこの請願を否決しており、いわば東京大学法学部が作り上げたとさえ言われている現在の間違った憲法論には多くの政治家、官僚、法律家が侵されてしまっています。すなわち、わが国の三権(司法・行政・立法)はいずれも正常に機能していないのです。

 この「日本が自立できていない」原因を知り改めない限り、現下のような金融危機の創出だけで国家を潰せるようになった時代における景気や財政、資源や食糧、社会福祉と国防、教育といった各政策を根本的に改善することなどできません。占領統治期以来政府の不作為を愚痴りながら過ごす毎日が今後もうんざりするほど続くのです。あなたはそれでもいいのですか?

 以前は石原都知事を各論で何度か批判してきた私は、先人から相続した国家を守り抜くためならば小さなことだと、その批判をやめることにしました。ところが、なぜかここへきて沖縄県石垣市尖閣諸島の「国有化」をもって石原都知事を「嘘吐き」などと批判し始める「自称・保守派」の存在は、まさしく私が一貫して「わが国伝統保守ではない」と指摘してきた橋下市長の出鱈目な「保守っぽい」だけの政治手法と符合します。

 橋下市長が代表になった「日本維新の会」への支持が急速に低落しもう止まらないのは、何ら国家観の基軸を持たずに現職国会議員を取り込んだ結果とうとうその正体がばれてしまったからであり、扇動型の「なんとなく」でいつまでも一般大衆が着いてくると思ったら大間違いであると私たち自身が彼らに知らしめておかなければ、これからも橋下市長や野田佳彦首相のような「雰囲気の人」が政治権力の頂点に立ってしまうのです。

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『橋下市長を斬った石原知事』に3件のコメント

  1. 土佐守:

    今晩は、初めまして、土佐守申します。

    遠藤さん、過去の記事で、橋下を結構持ち上げてませんでした?

  2. ノッポ:

    BLOGOSのあるブログで橋下氏が知事時代の借金について書いていました。
    H17~H22の決算で赤字が6兆円を超えたらしい、橋下は知事を止める時、職員の皆さんは優良企業の職員ですと嘘をついたとのこと。実際は赤字が増え、今後債権を発行する時、総務大臣の認可が必要になったそうです。WTC(埋立地)が3.11の地震の時、かなり壊れたりもした(修理にお金がかかる)。赤字を隠し、市民の反応を見てころころ方針を替えるといったポピュリスト。まあ本性がわかって良かったと思います。
    みんなの党との復縁は笑う。最後の最後橋下自身が衆院に立候補するかもね。その時は大阪市民の皆さま無視してください。
    PS
      衆院議員の民主から維新に替わった松野議員以前、TTP反対だったのに、維新  はTTP賛成。全く信念がない。要は民主のままだと落選するから維新に鞍替え。

  3. 遠藤健太郎:

    土佐様

     どなたか他の方とお間違えではありませんか? 私は大阪府の橋下徹知事(当時)に対する週刊誌がやっているような人格攻撃をやめよと申したことはありますが、その際同時に「政策は穴だらけで、こちらをもって堂々と批判せよ」と主張しました。

     橋下氏が知事選挙に立候補された時から、実際には決して尊大な印象を与える方ではないが「日本保守」の政治家ではないと指摘してきましたし、氏に期待できることは公務員労組の公務からの適正な排除以外になく(「教育基本条例」も批判しましたし、もう日教組や自治労系の排除以外は何もしないで欲しいと申して一部読者から反対されましたが)、今日までその考え方を変えたことは一度もありません。