韓国の内政上からくる要請

皇紀2672年(平成24年)8月11日

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012081000839
 ▲時事通信:森本防衛相発言要旨

 韓国の大統領が島根県隠岐郡隠岐の島町竹島に不法上陸したことに対する野田内閣閣僚の発言について、私はまったく擁護するつもりなどありませんが、森本敏防衛相の「韓国の内政上からくる要請」発言には読み取るべき真意があるとだけ釘を刺しておきたいと思います。

 昨日記事でも改めて申しましたように、北朝鮮は韓国に「親朝(北)政権」を再び誕生させようと工作する中、李明博大統領は実兄に続く自身の退任後の逮捕を恐れており、それは李政権の路線否定によってなお免れないと分かっています。

 どうしても死に体化する政権末期に韓国の大統領が「反日」になる傾向はあるとしても、それだけではない事情が李大統領の肩にのしかかっていますから、彼は昨年八月の少し前から竹島への不法上陸を希望してきました。ただ、昨年は(李大統領が打診した)米国政府から止められたため、台風の影響だったかを言い訳にして避けたのです。

 森本防衛相は一政治学者としてのころからことのほか日米関係を重視してきました。ですから米韓軍事同盟にも当然気を配ります。そして、私たちが望むと望まざるとに関わらず韓国がわが国にとって中共・北朝鮮の緩衝地帯であることをよく知っておられるのです。

 これを言うと「日本保守論壇を致命的に駄目にした統一教会なみの反共親韓」などと誤解されるのですが、地政学でものを考えなければなりません。その上で近隣国だからこそ対立事項が存在することも世界中のどこも同じであり、引いたほうが負けてしまうのも自明の理です。よって私はこれら事情を分かった上で政府に提言する対韓措置のいくつかを昨日記事に書きました。

 森本防衛相は李大統領の竹島不法上陸を「日本政府が相手にする価値もない国内向けの政治活動」と切り捨てたのであり、竹島を韓国領と認めたわけではないことは明白です。説明が足りない印象を受けるのは、私自身も気をつけなければならないことなのですが、自分の頭の中で「当然」としていることを「言わずもがな」で省いてしまう癖がつい出てしまったのでしょう。

 さらにもう一つ言えることは、わが国の対韓防衛政策がどうしても米韓軍事同盟を超えられないということです。今回李大統領が上陸したということは米国政府の了承を得られたということであり、この認識も(そこまではご存知かどうか分かりませんが)森本防衛相の発言によく表れています。このままでは竹島を取り返すことなどできません。

 取り返すには占領統治体制の継承になってしまう占領憲法(日本国憲法)の改正では無理であり、自立していたわが国の姿を何としても取り戻さなければならないのです。日米が太平洋防衛という共通の価値観をもって実体のある軍事同盟を結ぶには、大日本帝国憲法の復原しかないのですよ。

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『韓国の内政上からくる要請』に2件のコメント

  1. 一読者:

    こんにちは。
    貴ブログの相互リンクに紹介されていますが、
    吉水神社宮司も
    「このような事態を招いたのは占領憲法だ!」と
    指摘しておられます。ご参照ください。
    取り急ぎご紹介まで。

    追伸:
    旧刑法から削除された「不敬罪」も何としても復活させねばなりませんね。再適用の第一号は創価です。
    創価をはじめとする不逞の輩共の増長をこれ以上認めてはなりません。

  2. allco:

    与野党グルだろう?

    田母神氏の著書「騙されるな日本」があります。
    そこに、領土について書かれて居ますが、
    「実行支配」され侵犯された領土の解決の難しさと、
    実効支配の重さについて書かれて居ます。

    私なりのまとめですが、
    日本政府は我が国の領土として抗議する。
    査証発行停止を行え。
    韓国の留学生を帰国させよ。
    国交断交を決意。
    日本国総理大臣と外務省の仕事だろう。

    大体、自民党が防衛大臣に更迭を求めるとは何事か!
    韓国になめられる下地を自公政権が長年放置してきた。
    その結果が今回のイミョンバク竹島上陸だ。
    森本降ろし?に協力してる場合か?
    問責だと?罷免?野党はいい加減にせい。
    汚職まみれのおまえらも、ロクな仕事してこなっかたんだ。
    国民を舐めんじゃね~!

    野田は夏休みだよ。

    森本さんは、今の所、日米同盟の堅持者です。
    日本の防衛は竹島だけではない。
    支那が喜び得をするだけではないのか?

    マスゴミの汚さを経験した私達、愛国者の講演会を聴いた私達、
    保守の著書を読んだ私達、冷静になろう。役立てよう。

    確かにエラー発言かも知れない。それでも冷静になろう。
    利敵憲法の日本国民は現実派として対応する必要がある。
    民主や下地に並んで抗議する自民を見て、こりゃこいつらグルだな?
    と、思いましたよ。さすが田母神氏をクビにした訳だ。

    そんな国民の冷めた強く厳しい意志で保守政治家は目覚める。

    森本防衛相の発言については何かおかしいものを感じたのでネットを調べていました。この発言は、確かにエラーともいえますが、どうもマスコミに作り上げられたエラーのような感じがします。

    防衛省の大臣会見概要をご覧ください。
    http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2012/08/10.html

    マスコミ発表には、森本防衛相の発言真意とは異なった印象付けが感じられます。沖縄式だと思います。

    防衛省・自衛隊のHPから

    Q:韓国の李明博大統領の竹島訪問についての大臣の午前中の発言が、野党側からの反発の声が広がっていますけれども、改めて真意をお伝え願えますでしょうか。

    A:(森本)本日、韓国大統領が竹島を訪問したという事ですが、これは我が国の竹島に関する基本的な立場と全く相容れず、我が国としては決して受け入れられないという趣旨です。他方、どうしてこの時期に韓国大統領が訪問されたのかということは、私は多分、内政上の要請があったのだろうという推測を申し上げたのであって、竹島問題が韓国の内政問題だと言った覚えはありません。そもそも、竹島問題は日本にとって北方領土と並んで重大な領有権問題でありますので、これは外交交渉によって解決されるべきであると、このことに変わりはないと思います。

    Q:大臣、野党側が問責決議案を出すという構えも見せているのですが、そういった御自身の発言が伝わっていないということについて、改めて。

    A:(森本)正しく説明する必要があると思いますので、要請があれば参って説明するつもりです。