中共企業に売却だなんて…

皇紀2671年(平成23年)7月31日

 http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C……
 ▲日本經濟新聞:三洋の白物家電、パナソニックが売却 中国ハイアールに

 私の家にも三洋電器の家庭用電化製品が未だにいくつかありますが、かつて東南亜各国の電化製品店を覗いて驚かされたのは、わが国以上に三洋電器が圧倒的な市場占有率(シェア)を誇っていることでした。

 松下電器(現パナソニック)やソニーは、あくまで超高級品として売り場の片隅に展示されているだけのような状態だったと記憶しています。彼らに尋ねると、やはり「高性能すぎて価格が高いから」と。

 それでも三洋電器が経営に失敗したのは他に致命的な理由があったためですが、中共の高速鉄道に関して申した際に指摘しましたように、あくまでわが民族の感覚として高性能だと思っているものが常に全世界で求められるとは限りません。

 和歌山市出身の創業者である松下幸之助氏の名を排してしまった現在のパナソニックは、ともすればこの問題を理解出来ないまま、自らの首を絞めることになるような気がするのです。

 三洋電器が持っていたいわゆる「白物家電」の技術と高い知名度を、なぜパナソニックはわざわざ手放し、まんまと東南亜市場の占有を狙う中共の海爾集団(ハイアール)なんぞに売却してしまうのでしょうか。

 パナソニックの上野山実常務は、毎日新聞社の取材に対して「パナソニックの白物は技術的に圧倒的に強い。ハイアールが対抗しても、世界ナンバーワンを維持できる」と答えていますが、その過信と、具体的な対抗策もなく中共に技術が流れることへの危機感もないさまこそが、現下のわが国大企業が一様に抱えている問題に思えてなりません。

 一方で中共企業が抱えている問題は、その印象の悪さと市場認知度の低さであり、わが国企業を買収、または聯想集団(レノボ)がNECと合弁会社を設立するような手法で、自らの欠点を大した努力なく抹消しようとしています。

 本来であれば、近年ずっと円高傾向で推移し、ここへきて1ドル70円台にまで突入しているのですから、わが国企業は外国企業を買収し放題に出来るはずです。この円高は、欧米がわが国に「買収してくれ」と言っているようなものでしょう。

 しかし、彼らにそれが出来なくなっているのは、金融機関が資金運用能力を失っているのと同じで、わが民族の特徴なのか、歪んだ泡沫(バブル)経済に踊った失敗の後遺症が大東亜戦争敗北の衝撃と同様に強すぎて、積極性も戦略性もなくしてしまったからに他なりません。そのような企業は危機意識も低く、私は「天下の松下」の将来が不安でならないのです。

 民主党の菅内閣は、決してこの円高に対応しようともせず、まるで傍観者のようであり、日本銀行に円の増刷を示唆することもしません。何度でも申しますが、これからのわが国がなすべき公共投資は、周辺海底資源の採掘と農業の再生であり、この方針を打ち出すだけで円増刷の真の効果も現れ(紙幣の増刷は自立再生力のある国家ではじめて効果が出るため)、内需は劇的に回復します。

 それは、私たちの暮らしの大問題であり、私たち自身が考えて政府に提言していこうではありませんか。

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『中共企業に売却だなんて…』に1件のコメント

  1. matu:

    イタリアに行った時、日本の電化製品がなくて残念に思っていたところ
    バチカンのサンピエトロ寺院の真ん前にパナソニックの超大型の液晶テレビを見て
    「天下の松下」を誇らしく思ったものです。
    我が家にもサンヨーの掃除機があります。お気に入りで代々(台々)使っています。

    松下を捨ててほしくありませんでした。
    「松下」政経塾もあまり良い結果にはなりませんでしたが。

    ある年代の人達には、敗戦は人生そのもの、いつも当然に付いて回るのですね。
    占領憲法の話をしても、「日本は負けたんだから・・」
    と仰るのに驚きました。負けたのだから従うのが当たり前、今更何を無茶言ってるのって感じでした。洗脳ってすごいですね。民族性もあるのかな。
    どおりで、「国を護る男」がいないわけです。。
    青山繁春さんが、メタンハイドレートのお話をさる大企業の社長さんに話したら
    「日本は負けたんだから・・(自力のエネルギー開発はできない)」
    と言われたお話を思い出したんですよ。。