「脱原発解散」のカラクリ

皇紀2671年(平成23年)6月24日

 菅内閣に対する不信任決議案が否決された2日、私は翌日に内閣改造の可能性を指摘しました。菅直人首相は、左翼系の市民活動家出身ですから、一度掴んだ権力の座をそう簡単には手放さないでしょう。

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011062300925
 ▲時事通信:大幅改造、亀井氏が進言=首相「検討する」−復興相任命27日の方向

 保身のためだけに菅首相があらゆる手を打つことは、あの時からはっきりしていました。国民新党の亀井静香代表がその手に乗り、首相に退陣を迫っていた民主党の岡田克也幹事長も、結局は今国会の70日間会期延長で手打ちしてしまったのです。

 自民党も衆議院の解散総選挙ばかりは避けたい(カネがない?)ため、菅内閣への退陣要求が極めて中途半端に終わりました。

 しかし、メディア各社は菅首相が「脱原発」解散に打って出る可能性までもを指摘し始めたのです。これは本当にそうなり、果たしてうまくいくのでしょうか。

 22日記事を改めてお読み願いたいのですが、菅内閣の基本方針は「原発推進」です。既に国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合で、海江田万里経済産業相がそのように発表しています。

 改造人事で(悪い冗談でしょうが)孫正義氏の民間人枠登用が噂されていますが、早い話がこれは耳障りのよい「自然資源」「再生エネルギー」を合い言葉に、少しばかり導入してみましょう、と。それらの新しい利権構造を官民で創ります、という話に過ぎません。

 よく小泉純一郎元首相の「郵政民営化」解散の踏襲を指摘する声がありますが、決して褒められたものではなかった解散劇と比較することすら出来ないほど、そもそも菅首相に何の信念もないのです。

 本当に福島第1原子力発電所事故から政府として多くを学んだのなら、もうとっくに放射性物質に汚染された表土を削り、瓦礫を撤去し、それらを原発にかき集め、半永久的に冷却しつづけなくてはならなくなった原発自身を取り囲む鉄壁の要塞造りが始まっていることでしょう。

 莫大な予算も編成しなくてはなりません。米国製軽水炉が一度事故を起こすと、とてつもなく危険な巨大債務をかかえることになるもので、そうと分かれば第2次補正予算などとっくに組まれていなくてはならないのです。

 その何一つもせず、被災された方々を置き去りにし、被災していない私たちまでもを置き去りにして自己保身に奔る菅首相の思惑を叩き潰すとすれば、それはもう国会議員ではなく私たち国民(臣民)の声しかありません。

 沖縄県糸満市の平和祈念公園で23日に営まれた「沖縄全戦没者追悼式」では、参列者から「菅首相は靖國神社に参拝しろ」という野次が飛びましたが、沖縄県遺族連合会の仲宗根義尚会長もそのように要求しています。全閣僚に対して一部(国史に於いて全てではない)英霊の招魂社を参拝してはならないと命じた菅首相が、今まさに被災者を見殺しにしようとしているのも同然なのです。

 珍妙な永田町の空気を打破し、この国難を乗り切るには、首相官邸や民主党、自民党へ丁重に手紙を書き送るか、電話をかけてでも、わが国(皇国)を守るための真の「脱原発」「自立再生」を実現すべく国会議員の総入れ替えを訴えましょう。

 真正保守政策研究所:新しい資源エネルギー政策を提言します

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