この手の誘導報道は増える

皇紀2671年(平成23年)6月18日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110615/plc11061503060004-n1.htm
 ▲産經新聞:伊も脱原発 日本から流れを変えよう

 まるで讀賣新聞社の主張かと思いましたが、やはり産經新聞社もこのような記事を書くのでしょう。独国や瑞国、伊国の「脱原発」という「仏国の原子力発電に依存する」選択の実態を鋭く指摘せずに、わが国が原発推進を先導することは「感性に流れる選択よりも、理性に基づく判断」として「必要だ」と主張しています。

 この「理性」がどれほど怪しいものか、原発推進から反対へ一気に転じた伊国民を見ても明らかではありませんか。

 わが国土(皇土)を汚しても自立した事故対応すら出来ない(国防ともども米国に依存しなければならない)ものをわが国(皇国)に置き続けようと主張するメディア企業には「二度と国家を語るな」と言ってやりたくもなります。

 自民党の石原伸晃幹事長も14日、現下の「反原発」運動を「集団ヒステリー状態」としましたが、確かに左翼系市民団体は社会的緊張と激情を扇動しており、例えばそれらと中部大学の武田邦彦教授が原子力の専門家として「脱原発」に転じた自らを説明されていることや、私がまとめた「脱原発」政策案はまるで別物です。自民党も産經新聞社もこれが理解出来ていません。

 http://www.j-cast.com/2011/06/15098329.html
 ▲J-CASTニュース:中国が日本国債「大量買い」 政治的な意図はあるのか

 このような記事も、今後増えていくことになるでしょう。十分ご注意下さい。それは東日本大震災後、中共がわが国の国債を大量に買い始めた事実を前に「日本国債は中国を含む海外投資家にもっと保有してもらったほうがよい」という専門家(ここでは国際アナリストの枝川二郎氏)の意見を記事にしたような類いのものです。

 この手の記事は一部真実を突いているのが特徴で、米国の財務状態が悪化していることから、米国債を大量に保有している中共が分散投資(ポートフォリオ)を考えて米国債を減らしたいからこそ、安心度の高いわが国の国債に手を出しているのでしょう。

 それをもって「政治的な駆け引きに使えるほど、そんな単純なものではない」とは、まるで読みが甘いと申さざるをえません。専門家の方に対して恐縮ですが、この方のおっしゃる「政治的な駆け引き」は、単に国債の売却をちらつかせるといったことのみでしょう。それほど単純ではないのです。

 これでもわが国の国債は95%が自国保有ですが、だからこそ安心なのであって、正確な財務諸表が出ないようにしている財務省が隠しているのは、実質債務の少なさでありますが、いわゆる「借金返済」が大量に外国へ及ぶと、それが膨らめば膨らむほど「国家破綻」に近づきます。

 中共は大震災の発生でわが国が弱体化することを願い、そう読んで国債を大量に買い始めた可能性について、本来政府が想定しておかねばなりません。それが出来ていない民主党政権は「甘い」なんぞというものではありません。皆様は決して騙されないようお気をつけ下さい。

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『この手の誘導報道は増える』に2件のコメント

  1. チンドン屋バスター:

    世界日報もサンケイと同じ

    http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh110619.htm

    サスガ統○教会系だ
    「反反原発」でさわぎまくるネウヨ行動バカども
    ファビョってんのはどっちだ お郷(チョーセン)が知れるぜ

    遠藤氏の真保守思想がまぶしく見えるよ
    いろいろ政治にはたらきかけてくれてると思うがガンバッテくれ!!
    日本じゃロックフェラーの原発事業筋や電力利権筋からの妨害があって政治家がなかなか首をたてにふってくれんだろう

    今こそ「脱従米」「脱原発」「保守の脱改憲」遠藤氏に期待してるよ

  2. 遠藤 健太郎:

     この世界日報の記事に対して申したいのは、欧州各国が露国の天然ガスに依存しなければならない事態から回避すべく、主として仏国が原発を推進し、独国や瑞国、伊国が仏国の原発に依存しながら自国には原発を置かないという選択をしたことについて、わが国がどうすべきかを全く書ききれていないということです。

     それこそが世界日報の「世界日報」たる所以でしょうが、産經新聞社も自民党もわが国のメディア企業であり政党であるにもかかわらず、何も論じ示そうとはしていません。このようなものを「日本保守」を口にする方々が有り難がり、単なる左派・革新派に対する反動として「原発推進」を掲げていることこそが、わが国の不幸なのです。

     ご指摘の通り、政治家の反応はよくありません。「資源があるのは分かるが、原子力発電も活用すべきだ」という或る種の呪縛から逃れられないのでしょうか。このような政治からは、資源自活の意欲も尖閣諸島を守り抜く信念もまるで感じません。

     もっと訴えていかなければならないと思っています。何卒ご支援下さい。