菅内閣不信任決議案は否決
菅直人首相が民主党代議士会で「一定の時期」に退陣する意向を表明したことで、野党が提出した内閣不信任決議案は2日、賛成152票・反対293票で否決されました。
東日本大震災下で首相を交代させる、或いは衆議院の解散総選挙が実施されることの危うさは十分認識しつつも、この国難だからこそ「人災」と指摘しても過言ではない事態を巻き起こし続ける菅首相、および民主党政権の退陣を実現させない限り、まさしく国難を乗り切ることは出来ません。
しかし、与党内の「権力闘争」にもならない打算の積み上げにより、菅首相の延命策は奏功してしまいました。首相官邸の対米交渉でも「当分延命」で妥結したのかもしれず、谷垣貞一総裁のもとでは自民党もまるで無力です。
採決の前日夜、鳩山由紀夫前首相が菅首相を訪ねて退陣表明を迫った際、2人の話し合いは物別れに終わったと報じられていましたが、両氏の間に温度差はあったにせよ、メディア各社は推測で伝えていたようです。
菅首相がいわゆる「造反組」に「造反しない言い訳」を与えた退陣の「一定の時期」とは、福島第1原子力発電所の冷却完了(冷温停止)時ならば、少なくとも来年の1月まで、いつまでも完了しなければいつまでも辞めないことになります。
以前にも申しましたが、当然通常国会の会期を延長し、第2次補正予算と震災復興基本法を成立させるのが最優先であり、退陣を表明した「死に体」内閣下とはいえ、責任をもって成立させた時こそが辞める時でしょう。
今ごろ「退陣詐欺だ」と騒ぐ「反菅」代議士たちも、徹底的に詰め切れなかった自らを恥じるべきであり、これで「やはり倒閣運動をする」と言っても、いよいよ特に被災された方々から総スカンを喰らうに違いありません。
ともすれば内閣改造が「復興内閣の組閣」という建前で行なわれ、造反組とされていた代議士が一本釣りされていたかもしれず、何食わぬ顔で仙谷由人前官房長官を復帰させた菅首相ならやりかねませんから、まさしく打算の積み上げによって「人災内閣」は継続されます。余計な法案ほど急いで成立される可能性も一層高まりました。
私たち一般の国民(臣民)による、民主党との闘いはこれからなのです。
皇紀2671年(平成23年)6月3日 2:34 PM
具体的な時期を示さず、「目途がつくまで」では、事実上の続投宣言のようにしか思えません。 「不信任反対」に寝返った民主党議員は、菅氏の「可決なら解散」発言に腰が砕けたのだと思いました。所詮は、「国家の危機より己の保身第一」の政治家集団です。