敗訴した元教師と起立条例

皇紀2671年(平成23年)6月4日

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011053102000014.html
 ▲東京新聞:起立定着に「無力感」 君が代命令合憲

 いろいろございましたので取り上げるのが遅くなりましたが、基本的な私の考え方とあるべき公務員の姿は、既に5月23日記事に述べた通りです。

 いわゆる「国旗・国歌法」の呆れた実態に加え、国歌斉唱時の起立を義務づける条例を提出しようとしている地域政党が存在する情けなさこそが、わが国の惨憺たる現状を表しています。

 国家の歴史観を論じた田母神俊雄航空幕僚長(当時)は、事実上更迭されてしまいました。なのに、なぜ日教組や全教の政治運動に熱心な一部の公務員は、それだけで解雇されないのでしょうか。

 都立高校で教鞭をとっておられた申谷雄二先生は、敗訴後の会見で「政治家は教育現場に安易に介入することをやめて欲しい」と述べられましたが、私は「公務員は教育現場に政治を介入させてはいけません」とはっきり申します。

 教育公務員が「菅直人首相は売国奴だ」とか、或いは「菅直人首相に従え」などと子供たちに話さなければならないと義務づけられたなら、それは怒って然るべきでしょう。

 しかし、国旗は日章旗であり、国歌は君が代であるのですから、その掲揚と斉唱時の起立は「政治」ではありません。それが分からない、またはそれを政治運動化させるような人が「職業選択の自由」をもって公務員になっていることこそ間違っているのです。

 そもそも最高裁判所の合憲判断は日本国憲法に照らし合わせてのものであり、それは現下では当然なのですが、やはり日本国憲法を「憲法」と呼んでいる現状の最も悪い部分が出ています。さもなくば「思想・良心の自由を間接的に制約する」などとつけ加えられることはありません。

 米国法学のジョージ・ランボーン・ウェスト博士がおっしゃったように、私たちにとって「憲法」と呼ぶべきものではないものを「憲法」と呼び続ける限り、ことほど左様に不毛な裁判は繰り返されるのです。もうやめましょう。

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