脱北者保護禁止の対日指令

皇紀2670年(平成22年)7月9日

 本年4月17日の東京、名古屋を皮切りに、今後も各地で封切りされる平成20年製作の韓国映画『クロッシング』は、12年に在北京西(スペイン)大使館に駆け込んだ25人の北朝鮮脱出者(脱北者)をモチーフに、『火山高』などのキム・テギュン監督が彼らの真実を描いた作品です。日本でも多くの国会議員や、北朝鮮による日本人拉致被害者家族の方々までもが試写会に出席されたことで話題になりました。

 本作は、韓国の金大中元大統領(すでに故人)以来の「太陽政策(対朝宥和政策)」を継承して退任後に自殺した盧武鉉前大統領の政権下では製作すらままならず、まったく秘密裏のうちに撮影されたそうです。

 なぜなら、脱北者の真実を描けば、必ず「北朝鮮は劣悪な強制収容所国家」という現実を描かねばならないからで、太陽政策推進派にとっては不都合でした。本作によって、本来なら難民として保護されるべき脱北者を中共がどう扱っているかもよく分かります。

 日本は、在瀋陽総領事館などで脱北者数人を現在も保護していますが、中共は彼らの出国条件として、今後は脱北者を保護しないとの方針を示す文書の提出を日本側に求めていることが8日、分かりました。

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2010070800529

 ▲時事通信:「保護しない」文書要求=脱北者出国で日本側に条件?中国

 この報を受けて「朝鮮人など放っておけばよい」「中共もたまにはよいことを言う」などと反応する方がいたことに、私は驚いてしまいました。確かに、脱北者問題は今後の増加を見越して厳しい現実です。しかし、外国の公館に保護された脱北者の出国については原則として認めてきた中共が、日本に対してのみいわば「保護禁止」の指令を出すとは何ごとでしょうか。

 日本がナメられている話なのですよ、これは。そして、本件についてかくも切迫してきた中共は、その原因である金一族体制(金日成?金正日?金正雲?)を、北朝鮮という国家を温存しながら崩壊させることに着手するでしょう。かつて故・中川昭一元財務・金融担当相が警告しておられたように、上海万博終了後の中共が米国と手を組んで何らかの政治工作や軍事作戦を展開させるかもしれません。

 対朝事案として、わが国は拉致事件をかかえています。これを忘れてはなりません。ならば日本人拉致実行の金正日を逮捕するよう日本政府自身が主体的に動くべきであり、このような文書提出を求められて単純に拒否したりしていないで、中共または米国のやろうとしていることを探り、敢えてそこに飛び込んでいくべきです。米中だけで東亜を引っ掻き回されてはたまりません

 横田めぐみさんや有本恵子さんらが、強制収容所国家に今もいるのです。

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『脱北者保護禁止の対日指令』に1件のコメント

  1. ストリートマン:

    意味が判らないのでしょう。情けない国です。