選挙だけの小沢民主党戦略

皇紀2670年(平成22年)6月11日

 平成元年製作・公開の日本映画『善人の条件』は、ジェームズ三木原作脚本監督(初監督)作品で、架空の地方都市の市長選挙を舞台に、理想に燃えて出馬を決めた牧原芳彦(津川雅彦)が見るも無惨にドス黒い政治の裏に絡めとられ、破滅していく様を描いています。

 彼は、在任中に急死する清川市長の娘(小川眞由美)を妻に持ったおかげで出馬の説得を受けるのですが、清川市長を応援して既得権を得ていた連中(すまけい、柳生博、橋爪功ら)に理想を否定され、選挙違反事案を取り締まっていた元県警で選対本部長に着任した蟻田(丹波哲郎)には「選挙に勝ちさえすれば何でもいいんだ!」と言い放たれてしまうのです。

 実際、妻のスキャンダルや、投票直前の芳彦自身による「薄汚い裏事情の暴露」さえなければ、彼は市長に当選していたかもしれません。信念に燃える政治家と、その想いに政治を託す私たちという構図が確立されない限り、日本の選挙はいつまでも利権の集票活動になってしまうでしょう。

 まさに蟻田のような選挙を主導してきたのが、最近では自民党の小泉純一郎元首相と、民主党の小沢一郎前幹事長です。現在も、小沢幹事長がその職を降りたからと言って、民主党が変わったわけでも何でもありません

 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100610/stt1006100127002-n1.htm

 ▲産經新聞:本会議出席わずか1日 くら替えの河上議員 「労働なき富」批判も

 これほど莫迦げたことが現実に起きているのも、すべて「小沢戦略」の成せる技であり、彼らは文字通り「選挙に勝ちさえすれば何でもいい」のです。いわば、子ども手当などは国民的規模の利権の集票活動に掲げられたエサでしかなく、私たちは怒りの声を上げるべきではありませんか。

 国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融担当相は11日未明、郵政改革法案の扱いをめぐり、菅直人首相ならびに仙谷由人官房長官と対立して閣僚辞任を決めたようですが、民国連立政権の枠は維持し、参議院議員選挙に突入させるようです。これも、辞任してまで信念を通すわりには、やはり党として選挙の勝利だけが目的であるように見えてなりません。

 民主党がもし今夏の選挙に勝てれば、小沢待望論が噴出します。当然のように負ければ安住淳選対委員長ら新執行部の責任が問われ、やはり小沢待望論が出るのです。選挙結果がどうなろうとも、信念なき集金集票屋・小沢前幹事長の権力が死なない仕掛けになっていることを忘れていてはいけません。

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『選挙だけの小沢民主党戦略』に1件のコメント

  1. ストリートマン:

    選挙しかない人達ですね。国民などどうでも良い、民主党だけ生き残れば食い倒れが無いと考えているんでしょうね。国は倒れますがね・・・・