鳩山首相「最大の敗者」

皇紀2670年(平成22年)4月15日

 14日付の米紙ワシントン・ポストは、核安全保障サミットについてのコラムの中で、最大の敗者は日本の鳩山由紀夫首相だと書きました。ほかにも「不運で愚かな日本の首相」「核の傘をお忘れか」「鳩山首相を相手にしたのは、胡主席だけだ」といった表現が並んだといいます。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100415/plc1004150109000-n1.htm

 ▲産經新聞:鳩山首相が「最大の敗者」「不運で愚か」とワシントン・ポスト紙が酷評

 このコラムを書いたのはアル・カメン氏で、いちコラムニストの見解に過ぎないと言えばその通りですが、米政府の本性をよく表しておられるとも言えます。

 核安全保障サミットに於けるバラク・オバマ大統領との会談時間で「勝者」「敗者」を決める独善的且つ内向的な視点は言うに及ばず、日本に対する「核の傘」の押し売りは、「まだトヨタを買えというのか」というほかの表現とあわせれば、米軍による占領統治のおかげで経済発展を許されたような国が米国の言う事を聞かないとは何ごとか、とはっきり言っているのに等しいのです。

 鳩山由紀夫首相については、「不運」などではなく明確に「愚かな首相」だと、日本人の多くが気づき始めました。民主党の小沢一郎幹事長とて、仮に自民党が谷垣貞一総裁の存続を諦めて執行部を刷新(舛添要一大衆迎合的選挙用新総裁に?)すれば、参議院議員選挙に向けて首相の首をすげ替えることくらい考えているでしょう。そもそも私は最初からその予定のはずだと書いてきました。

 しかし、たとえ首相が替わったところで日本の従米体制に変わりはありません。対等な日米関係が実現しないのは、日本国憲法という占領憲法を無効にもせず、占領憲法を護る上に於いてしか不可能な改正を議論しているからです。米国にとって最も都合が良いのは、占領憲法第9条違反の自衛隊を適当に合憲的扱いにできる無法政権であり、その典型が自民党政権でした。よって、米国の核の傘という現状に甘んじて核の議論は否定されるのであって、麻生太郎前首相や中川昭一元財務相は党内からさえ猛烈な批判の対象になりました。

 湾岸戦争で米国にカネを貢いだのが当時自民党の小沢幹事長でしたが、彼は決して「日本国民が拠出したカネをお忘れか」とは言えず、米軍による惨めな占領統治を維持させたのです。だからこそ、彼は「在日米軍はもう出て行け」とも決して言いません。政権を掌握してなおこれを言ったのは、奇しくも社民党だけです。ところが、社民党は護憲派ですから占領統治維持派であり、やっていることがあべこべになっています。

 ことほど左様に日本政治は歪んでおり、これで年金や医療や教育などの行政がよくなるはずもありません。米紙に酷評されて反論や(情けなくも)同意するのではなく、やはり「憲法」の問題からは逃げられないことを知るべきだと私は思います。

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『鳩山首相「最大の敗者」』に1件のコメント

  1. ストリートマン:

    日本国家と言う「文字」が日本の政治家の口から消えましたが、これは危険な事ですね。