習独裁3期目を甘く見るな
十月二十一日記事の冒頭で、予測通りに英国政界が国際金融資本の思惑に沿って転げ落ちたさまから「減税が失敗したのではありません。まんまと『思惑』に操作されないよう」と申しましたが、立憲民主党の枝野幸男前代表が早速、コロリと騙されているようです。本当に頭が悪いですね。
枝野氏は、自身のユーチューブ・チャンネルで同二十八日、英国政界を例に出し「(消費税減税を言ったことは)政治的に間違いだったと強く反省しています」「二度と減税も言わない、というのは私の確信です」などと述べたのですから、全く自分で考える能力のない政治家失格が証明されました。
同党の辻元清美参議院議員は、朝日新聞社の取材に「政権交代が普通になる国にならないといけないと思う」などと答えましたが、昭和三十年(五十五年)体制以降、選挙によって普通に二度も政権交代を経験した私たち国民が少なくとも現状で二度とそれを望んでいない(野党各党の支持率が低すぎる)理由について、野党議員たちこそが真摯に考え、猛省しなければいけません。
枝野氏のような政情分析能力も政策立案能力もない人物や、私たち国民のことを考えているとは全く思えない人物ばかりの立民では、失策続きの自民党ですら倒せるはずがないのです。
財政規律の話を持ち出した枝野氏は、どこでどう自民党と闘うのですか? 私たち国民は、こうした財務省と闘わない政治家たちを前に、もはや政権政党を選びようがありません。
現下の国際情勢とわが国の置かれている経済状態からなすべき措置は、ここでさんざん提言してきた政策しかないのです。岸田政権にその覚悟がないなら、自民党に対して「普通に」政権交代を求めていくほかありません。
自民党はこれまでも、国民的支持を失えばその政権を「普通に」引きずり降ろしてきました。内閣支持率が一桁のまま何年間も居座り、民意を無視したことはありません。
前回の総裁選挙で、岸田文雄首相が駄目でも高市早苗政務調査会長(当時)がいる安心感を指摘しました。もう「次の首相候補がなかなかいない自民」ではないのです。
そう考えますと共産党の独裁国家というのは、人民の苦痛を計り知れません。
同二十五日記事で私は、中共の胡錦濤前国家主席を「老け堕ちた」と表現して彼が中座させられたことを「全員が納得詰めのことだったかもしれません」と申しました。
それでもこの直後、海外報道陣が捉えた「中座の瞬間」映像が公開され、さらにさまざまな憶測が飛び交いましたが、やはり私の見立ては変わりません。
共産党主席団の一人として習近平国家主席の方針を事前に承認した胡氏が、人事を巡って抵抗しただの、見せしめに引きずり出されただのというのは、特に日米両国内のいわゆる「チャイナ・ウォッチャー」たちによる「楽しい妄想」でしょう。
習主席が党内の主敵たちを弱体化させ、万全を期して「独裁三期目」に臨んだと見なければ、日米は中共の暴走を止められません。胡氏は、本当にかねてよりのパーキンソン病が深刻で、その上認知症の症状が露見し始めているだけです。抵抗者への見せしめなら、初めから主席の隣に着席させていません。
従って中共が台湾侵略をちらつかせ、日米を平然と牽制するのも、以前よりさらに危険度が増したと考える必要があります。露国の情勢を見ながら、習主席が台湾への侵攻圧力を高めてくるのは間違いありません。
迎え撃つ台湾に日米が主体的関与を約束しなければならない時が来ています。少なくともこうした中共国防部の暴言に対し、うやむやに対応していてはならず、はっきりと「お前たちは台湾に口も手も出すな」と言い返さねばならないのです。