維新・国民、やるやる詐欺
この記事で最初に思い出したのは、平成二十四年に麻生太郎元首相が民主党(当時)と日本維新の会を「やるやる詐欺だ」と批判したことです。
ともすれば大阪府の吉村洋文知事と国民民主党の玉木雄一郎代表の自民党に対するこの言葉は、麻生氏への仕返しなのかもしれません。
そもそも私は、もう随分前から自民党の憲法改正論を「やるやる詐欺だ」と申してきましたので、別段目新しい批判でも何でもないのですが、昭和三十年以来ずっと自民党はこの調子できたために、北朝鮮による日本人拉致事件の解決も同様であるとの批判をたびたび受けます。
しかし、拉致事件解決と憲法改正の違いは、国民的理解を得ているか否かにあり、前者は間違いなく多くの国民が解決を望み、後者は国民自身がそのときどきによってフラフラと意見を変えてきました。
自民党が改憲に踏み切れないできたのは、この世論の変化に敏感なためです。改憲して票を失うことを、党内右派の議員さえ恐れてきました。であるならば、改憲を謳い続けることで保守層の票を握りしめておきたいと思うのでしょう。
この議論で肝心なことは、憲法審査会が認めた現行憲法(占領憲法)の制定過程に瑕疵がある点です。
そのような代物を、なぜ私たち日本人が改正しなければならないのでしょうか。とうに存在しないGHQ(実質米軍)の仕事を、私たちが今さらする必要などありません。占領憲法の改正ほど屈辱的な作業はないのです。
真の保守派は、常に自主憲法の制定を謳ってきました。それは歴史上、大日本帝國憲法のことです。
私たちが改正すべきは、大日本帝國憲法であり、出鱈目な解釈をその都度ばら撒いてきた内閣法制局のいう「現行憲法は大日本帝國憲法を改正したもの」という制定過程に瑕疵があるのですから、いわば大日本帝國憲法改正をやり直さなくてはなりません。
保守派が真摯に議論し、唱えるべきはその改正案です。それでこそわが国、私たち日本人の自主憲法の系譜は守られます。皇統を守るのに似ているとも申せましょう。とても大切なことです。
途中からわが国の憲法の系譜を出鱈目にするような占領憲法改正論で満足してはいけません。それでは、もはや日本共産党らの護憲闘争(占領憲法死守)と何ら変わらないのです。
本当に中共、露国や北朝鮮がびっくりしてわが国に一目を置くのは、占領憲法の無効確認からの大日本帝國憲法改正を果たした時であり、占領憲法改正の程度では、少なくとも日露の領土交渉は一切進展しません。
まさか「北方領土返還」も「やるやる詐欺」に終わらせる気でしょうか。そのようなことを私たち国民が許してはならないのです。
皇紀2681年(令和3年)11月8日 6:58 PM
かつての麻生氏の発言に対して約10年越しに言い返してやったのならば、もうこの件は「ノーサイド」で構いません。とにかく誰でもいいからやれよという話です。占領憲法死守どころか憲法審査会の開催さえ妨害するような連中が民意を得られないことは先の選挙で示されたわけですから、その手の穀潰しの負け惜しみは無視して、とにもかくにも内需拡大に取り組まねば憲法どころではなくなってしまいます。自民・公明・維新・国民いずれもどうしようもない政党ですが、「憲法を改める」と高らかに宣言した折にはきちんと応援することとしましょう。そのためにこそ我々は与えられた選挙権を行使したのですから。