中露の攻撃かわす次期首相
防衛省は、十日午前に鹿児島県奄美大島の東側接続水域で潜水艦が航行したのを「中共」と国名を公表して牽制しましたが、露国は六日と七日に極東ハバロフスクで会議を開き、わが国に対する「歴史認識」問題の創作によって北海道択捉島・国後島・歯舞群島・色丹島の不法占拠の正当化を検討しました。
前出の公表は、たとえ領海侵犯がなくても繰り返し接続水域を共産党人民解放軍海軍が潜航するなら「日本国民に知らせる(情報公開の基本)」という態度を防衛省が鮮明にしたものですが、露国のウラジーミル・プーチン大統領やセルゲイ・ラブロフ外相が「大東亜戦争に於ける日本の犯罪を」などと暴言を吐き始め、わざわざ二日間もハバロフスクで会議を開いたのは、明らかに中共への対日米戦共闘の秋波と見て取れます。
日ソ不可侵条約を破って武装侵入してきた旧露国軍が私たちの先人たちに対して犯した残虐非道の数かずは、そののち「勝手なハバロフスク裁判」や「シベリア抑留」といい、米軍が空爆と核兵器の使用によって断行した「日本人大虐殺」に匹敵するもので、国際法上わが国との関係に於いて露国は「戦勝国」ではありませんから「戦争の結果を受け入れろ(北海道の島じまを返さない)」というのは全く通りません。
受け入れてほしければ(領土返還が前提の)日露講和条約の締結に今すぐ応じることです。
露国が「修正された歴史」を持ち出すなら、こちらこそ徹底的に露国および露国人を告発する用意があるというのに、近ごろのプーチン政権の面面は頭が弱ってきています。かつての(少なくとも私は敬意を払ってきた)硬派な愛国心も見られません。
日米豪印戦略対話(クアッド)が目障りな中共を巻き込もうと露国(どちらも卑怯な嘘つき、泥棒)が画策していることに対し、わが国外務省は全世界に向かって喧伝できることが数多あります。
それをいえばいいのにいわないのは、文字通り現行憲法(占領憲法)という存在自体の問題であり、少なくともプーチン大統領は安倍晋三前首相がこれを無効化するなら信用して講和に応じたに違いありませんでした。
結局は、わが国の問題はわが国で対処できなければならず、それを前提とした他国との協調路線(同盟)だからこそ意味もあり力を発揮しますが、このままでは沖縄県石垣市尖閣諸島も守り切れません。
持ち出される「歴史」に曖昧な姿勢しか見せられない「やっぱり河野洋平の息子」では、これらの問題に全く対処できないでしょう。
推薦人二十人すら集められなくなった石破茂氏の話などもう誰もしていなかったのに、自分を高く売ろうと今さら「河野さん支持」と決断したふりをするところに、石破氏の「可哀想なくらいの中身のなさ」を感じずにはいられません。河野氏と石破氏は、これで悪種同類と証明されました。
国家防衛と外交戦略について明確な方針を打ち出して一歩も譲らず、河野氏のような変節もない次期首相(自民党総裁)候補は、高市早苗前総務相(元政務調査会長)しかいないではありませんか。
危うかろうが何だろうが、私たちの想いを口にもしない宰相や外交官が世界のどの国で信用されるというのですか? その基本を忘れて「攻撃的な態度は関係を悪くするだけ」「また戦争になったらどうするのか」などと煽る連中こそ、さまざまな国との関係を悪くする存在でしかないのです。
国民に優しく、外敵に厳しく……これを政治家の基本姿勢としてもらいたい。