ソフトバンクとグーグル

皇紀2675年(平成27年)5月12日

 http://www.sankei.com/economy/news/150511/ecn150511……
 ▲産經新聞:ソフトバンク孫社長が後継指名 決算会見で、元グーグルのアローラ副会長

 昨日記事では、米FBI(連邦捜査局)が盗聴業務をソフトバンクの支配下に堕ちたスプリント(旧スプリント・ネクステル)にそもそも依頼していたことに疑問を呈しましたが、日本郵政もATM(現金自動預払機)などの業務ネットワーク敷設工事をソフトバンクなんぞにまかせようとしたことが大間違いでした。

 この記事に頂戴したコメントにもあるように、公共工事設計労務単価が実質上げられていないため「デフレ脱却」に呼応しておらず、以前から申しているように大企業に於ける賃金上昇が末端の中小企業にまるで及んでいません。

 郵政側が訴えた遅延損害は、ソフトバンクの下請け、孫請けに当たる中小企業の悲鳴が生み出したもので、ソフトバンクという企業の性質を見極めれば重ね重ね公共工事を発注することにまず疑問を持たなければならなかったはずです。

 私は決して税金の無駄遣いや政官民の利権構造を温存する「談合」を全面肯定するものではありませんが、かねて「全面否定の『正義面』こそ極端だ」と申したのは、あまりにも低価格で入札させると現場に無理のしわ寄せがいくだけであり、まさに人間が制度や機械に押し潰されてしまいます。

 その上で、なぜソフトバンクのスプリント買収が達成されたのかを考えますと、米グーグルでシニア・バイス・プレジデント兼チーフ・ビジネス・オフィサーだった印国出身のニケシュ・アローラ氏をソフトバンクに移動させることがすべての条件だったのではないでしょうか。

 彼と孫正義氏は七年来の知人関係にあったようですが、ヤフージャパン検索のグーグル化があって昨夏に急接近があり、唐突な事実上の後継者指名という流れは、どちらから仕掛けたのか判然としませんが、いずれにしてもソフトバンク温存の切り札だったに違いありません。

 このような企業ばかりが得をする厚生労働制度の改定だけは、政府与党にやめさせなければならないのです。

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