またもや太平洋分割管理か
http://www.yomiuri.co.jp/world/20141110-OYT1T50098.html
▲讀賣新聞:米中協力できれば世界が恩恵…オバマ大統領演説
讀賣新聞社の記事のまとめ方を疑いますが、米国のバラク・オバマ大統領とジョー・バイデン副大統領、ジョン・ケリー国務長官が外交能力を有していないことは明らかです。
米共和党が議会運営などで非難を浴びながら中間選挙で米民主党を下したのも、オバマ政権のあまりの無能さが原因としか考えられません。
この記事で扱われている話は、米太平洋軍司令官(当時)のティモシー・J・キーティング海軍大将が平成二十年三月、上院軍事委員会で、中共共産党人民解放軍幹部(呉勝利司令官か?)から打診されたと証言したいわゆる「太平洋東西分割管理」というとんでもない提案が元であり、これは米軍内で一笑に付されながら、中共の恐るべき目論みの一端が分かった瞬間でした。
何度でも申しますが、世界の中心である欧州と、極西の米国、極東の日本がそれぞれ大西洋と太平洋の平和の安定を守らなければ、世界大戦は再び起きるのであり、米国が俗に「世界の警察国家」とまで言われるようになったのは、このどちらにも関わるからです。
むろん露国は北極海を利用して覇権を主張する流れですが、中共には何もありません。そこで朝鮮半島から犯し、日本を隷属させ、米国を取り込むことで太平洋を脅かすほか手がないのです。
このような策略に米大統領が同意すれば、合衆国を中共に「差し上げる」と言ったも同然です。安倍晋三首相よりもまずオバマ大統領にしっかりしてもらわなければ、世界経済にまで混乱をきたすでしょう。
以前にも指摘しましたが、米中の新大国間関係(G2)構想は、中共ではなくまず米国が言い出したことです。米政府機関に中共からの資金提供が行き届き始め、いわば「カネの関係」が切っても切れなくなり、目がくらんだ挙げ句の愚行でした。
しかし、同時に米国の地位が揺らぎ始めたのは、もはや大西洋と太平洋の問題では済まない世界情勢の転換があったからでもあり、中共はその隙を突いています。
韓国の朴槿恵大統領は十日、日中首脳会談の顛末に驚き慌てて「日中韓外相会談を年内に」などと言い出しましたが、韓国が外交的にまるで機能していないことも多少影響しました。
そして何より、占領憲法(日本国憲法)有効論というぬるま湯に浸かってきたわが国を前に、米大統領の誰も「日米協力で世界に恩恵」とは言えない現実を、私たち自身が噛み締めなくてはなりません。「道具はあるのに使えない」ばかりの日本は、決して重要な相手にならないのです。