沖縄~変化する日米関係

皇紀2674年(平成26年)1月21日

 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=60969
 ▲沖縄タイムス:【電子号外】稲嶺氏が再選 名護市長選
 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2107297.html
 ▲TBS(東京放送):米大統領来日は国賓待遇にならず、靖国が影響か

 沖縄県名護市長選挙の投開票は十九日、行なわれ、現職の稲嶺進候補が約四千票差で末松文信候補を破りました。在日米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古沖移設に反対してきた稲嶺市長の再選を受け、安倍政権になってようやく沖縄県知事と出来た合意の履行の行方が危うくなり始めています。

 十一日記事で申したように、沖縄県政は安倍政権の脅威になりかねません。それは、鳩山民主党政権の招いた混乱がわが国政府に対する沖縄県と米政府の強い不信感を産み、安倍晋三首相がこれを払拭してみせたからです。

 解決の糸口を見出したからこそ安倍政権は、在日米軍基地の周りに商店や住宅が密集してしまった(決して市街地の真ん中に基地を建設したのではない)普天間の現状を、基地を移すことによって改善するしかないのであり、そのための合意を県議会も名護市も拒否するとなれば、米政府はまたもわが国を信用しなくなります

 私はかなり前から辺野古沖への移設には反対していますが、もちろん占領憲法(日本国憲法)の無効を大前提としても、太平洋防衛を日米が共有する限り、双方の軍隊が協力出来る体制の維持は条件の一つだと考え、よって占領憲法下の日米安全保障条約など「在日米軍基地の供与に関する対日指令」にしかなっていない、と申しているのです。

 それでも安倍首相は目の前の問題を解決するために仲井真弘多知事と合意してみせたのであり、これをもって再び日米関係は正常化した、と申しますか、米政府は安倍政権を信用することにしました。靖國神社参拝後に中共側が「安倍首相は米国に政権を潰されるだろう」とののしったのは、とんだ勘違いです。

 ですから、東京放送が報じた、バラク・オバマ大統領の来日が小規模日程の公式実務訪問になったとすることと、靖國参拝のことは殆ど関係がありません

 オバマ大統領の来日は、昨年二月の日米首脳会談で安倍首相が提案し、七月には日程調整を始めたと聞いています。当初はわが国政府が国賓待遇を約束していましたが、急に米政府が日程の縮小を言いつけてきたとすれば、それは間違いなく普天間問題が再び不透明化することへの不満の表れでしょう。彼らは投開票前に名護市長選の情報を得ていたはずです。

 安倍政権は辺野古沖への移設を強引にでも進めます。名護市長権限で抵抗されても移設をやめないでしょう。仮に末松候補が市長になっていても、反対派の暴力的活動を跳ね除けてやらなければならなかったわけで、政府としては「大して変わらない」と思っているに違いありません。

 最後にもう一つ、わが国政府がオバマ大統領の国賓待遇にこだわらなくなった可能性を指摘しておきます。十三日記事でも申しましたが、オバマ大統領を評価しない声は政府内にもあり、普天間問題が日米両政府の継続懸案だったことと、オバマ大統領をどう迎えるかということは、政府にとって別の問題です。「彼個人に信用されなくてもよい」というのがわが国の立場であり、そこが韓国の朴槿恵政権とは違います。

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『沖縄~変化する日米関係』に1件のコメント

  1. YURI:

    遠藤さんのこの翌日夕方に関テレで青山さんが政府高官から辺野古への移設は簡単にできると思ってると聞いて大変安倍政権に怒ってました。
    遠藤さんも政府は誰が市長でも「政府としては「大して変わらない」と思っている」と書かれてますね。同じ内部情報ですね。私は遠藤さんのブログを読んでいつも予習してます。すると青山さんのニュースでズバリやほかのニュース番組がよくわかるんです。
    いつもながら情報の精度の高さには脱帽です。オバマ大統領を国賓で迎えなくても別にいいと考えていることにも賛成です。