NSCと保護法案に再提言

皇紀2673年(平成25年)11月29日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131127/amr131127……
 ▲産經新聞:NSC関連法可決を歓迎 米政府、連携促し同盟強化に貢献

 国家安全保障会議(NSC)創設関連法が成立し、特定秘密保護法案は衆議院を通過して参議院へ審議の場が移りました。米政府がわが国にもNSCが出来ることを歓迎するのは当たり前で、関連する保護法案を非難したのは米紙ザ・ニュー・ヨーク・タイムズ(NYT)ぐらいです。

 NYTがいつもながら滑稽なのは、国防や外交、工作(スパイ)や破壊活動(テロリズム)防止に関する情報を機密扱いにする権限を全ての閣僚に基準もなく与えるなどとして、同法案と成立を急ぐ安倍政権を危険視していますが、NYTこそ米NSCの盗聴活動に関する報道を一切しませんでした。

 この何が不都合だったのか存じませんが、自分たちは平然と「知る権利」を「知らせない権利」にすり替えるくせに、報道企業にのみ配慮するようなわが国の現法案こそ問題があるのです。

 もう一つ滑稽なのは、NYTが危険視した内容と民主党が現法案に反対、修正を求めている内容が極めてよく似ていることでしょう。民主党は特定秘密の対象から「国内テロ」を除外するよう求めているのです。

 何度も申しますが、このような国内事情と外交・安全保障の現状が混在し、議論が混乱するのは、国会議員の質の低さを露呈させており、のちのち成立した保護法がかえって悪用されていく懸念を私たちに見せつけてしまっています。

 民主党はまさか、党内に極左破壊活動家(中核派や革マル派ら)と関係のある政治家が多いせいか、極左活動家らに対する捜査情報などを彼らに漏らせなくなることを嫌がっているのでしょうか。

 或いは、二度と自分たち(民主党)がこの権限を手にすることはなく、この法律を悪用出来る立場になり得ないことを覚悟しているとも言えましょう。だから参院審議にも民主党の士気は上がらず、目の前の安倍晋三首相だけを見てただ恐れているのです。

 ところで、NSC事務局の編成ですが、四日の講演でも最新情報として触れた通り、外務省がかなり食い込んでおり、部門長は防衛省と警察庁にも配分されますが、実務ではいわゆる「縦割り出向」そのものに成り果てています。

 何度でも提言しますが、NSCは政権ごとに人員を入れ替える非省庁型組織で結構であり、逆に特定秘密保護法案の名は「国家間機密の情報保護に関する法律案」に改めるべきです。

 安倍政権がこの法案の成立を急いでいるのは、NSCを機能させるためであることは当然ながら、例えば防空識別圏を巡る中共共産党人民解放軍の一部暴走とも関連しており、日米の防衛当局が既に表層的な情報を共有していて、極めて危機的な事態の発生が近づいているからに他なりません。

 しかし、昨日記事でも申したように、占領憲法(日本国憲法)が有効なままNSCを置いても、結局は米軍のための組織にしかならないのです。この二つの施策は、外交・安保の自立が本来の目的であり、私たちは決してそれを忘れてはなりません。

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