日本のワナにかかったバカな中国
昨日記事の冒頭で申しましたが、外務省が金井正彰亜大洋州局長を中共(支那)北京市へ派遣したところで何も解決しません。従来の外務省が考える解決とは、ここまで派手に喧嘩を売り始めた中共の言いなりに安倍晋三元首相以来の「台湾有事は日本有事」というわが国政府方針を変更するしかないのです。
ところが、北京政府外交部の劉勁松亜州局長に対して金井局長は終始一貫、高市早苗首相の国会答弁撤回を拒否し、政府方針に「変更はない」と主張しました。では外務省は一体、何をしに行ったのでしょう。
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どうやら外務省が目指したのは、日中関係を「壊したのは日本ではなく中共」と国内外に印象づけることだったらしいのです。「わが国は話し合いを求めました」「きちんと話し合いにも行きました」という、いわばアリバイ作りといったところでしょうか。
そこへ、恐らく外交部がわざと撮影を許可した場面で、劉局長がポケットに手を突っ込んだ「木原誠二スタイル」でふんぞり返り、何やら金井局長に尊大な口の利き方をしているように振る舞いました。まるで金井局長が「謝りに来た」という構図に見えたこの瞬間、実はわが国外交が一歩引いて大きく勝ったというのです。
この訪中内容を指示したのが茂木敏充外相なのか高市首相自身だったのかは、まだ確認できていませんが、これまで数多の通商交渉で粘り勝ちを演じてきた「私こそ偉そう」な茂木外相の指示だったのではないか、と思われます。この場面に対するわが国、中共、それ以外の諸外国では、それぞれ見え方が全く違っていることに留意しなければ「勝利」と言える理由は見えてこないでしょう。
わが国:対話はしたが相手が偉そうだった。日本外交が情けなくも見えた。
中共:小日本を叩いてやった。勝者のわれわれが弱者を顎で使ってよい。
台湾や東南亜諸国:中共はやっぱり危険だ。日本は低姿勢に見えて突っぱねた。
欧米各国:中共の態度では外交にならない。つくづく中共は厄介な交渉相手だ。
簡略化して申しますとこうなりますが、昨日記事で台湾はもとより韓国、英国や米国でも「中共は嫌われている」と指摘したのに加え目下、盛大に中共と揉めている国があります。それが独国です。
ことほど左様に独国も、いや、極めて深刻な事態と見てラース・クリングバイル副首相兼財務相を北京へ送り込みました。ヨハン・ヴァーデフール外相が訪中を中止して抵抗した上での独中会談は、まさに日中局長級対立の前日だったのです。
中共にしてみれば、十七日に独国と対立し、十八日に日本と対立したことになります。そして、昨日記事で指摘した英国との対立では今月六日、外交部長の王毅氏が「(中共を悪く言う)雑音に英政府が対処して」などと記者会見しています。
実は、最初から中共は四面楚歌に堕ちていたわけで、わが国が高市首相の発言を撤回する必要などありませんでした。半ばわが国も国内(反日野党)向けに対話の事実を残し、中共も国内(人民)向けに虚勢を張ったのですが、これで中共はかえってさらなる四面楚歌の状態を招いたのです。
罠にかかったのは、日本ではなく中共であり、以前にもここでご説明した昭和四十七年の日中共同声明でわが国が中共に示した「(台湾を中共の一部と考える中共の考えを)尊重する」「がしかし承認はしない」という台湾問題の本丸に斬り込むべき時が来たと申せるでしょう。
これを最も避けたがるのが中共であり、わが国に拳を振り上げて「余計なことをしてしまった」とせいぜい中共に後悔させるべく、高市内閣には毅然たる外交方針を維持するよう求めます。




