中国警察を国内に配備?
皆さん、もしわが国政府が中共人観光客や移民のさらなる誘致を目的に「中共人民の安全、安心を確保するため中共の警察を日本にも置くよう北京政府と協議します」と発表したら、どう思いますか?
まず中共警察に「監視される」ことのどこが彼らの安全、安心に繋がるのか、という疑問を呈する方もおられれば、既に中共公安(地方の公安局)が世界五十三か国に拠点を置き、在外中共人を監視していることを指摘する方もおられるでしょう。わが国にも、例えば東京都千代田区神田和泉町の十邑会館や大阪市西区靭本町の大阪華僑総会などと同居するビルに、それはあります。
そもそもこれほどの「売国政策」があるでしょうか。しかし、政権与党が「屈中」の売国奴だらけになった国で、その危機は現実化したのです。
タイ王国(泰国)の政情については、十月二十八日記事で簡単にご説明申し上げましたが、五月の下院議員総選挙結果を覆す強引な工作によって政権与党がプアー・タイ党(泰貢献党)になり、かつて北京に政党支部(当時のタイ・ラック・タイ党)を置くのを中共に許されていたタクシン・チナワトラ元首相の系譜が息を吹き返してしまいました。
泰政府観光庁のターパニー・キアットパイブーン総裁の「泰中合同警察案」は、武漢ウイルス(新型コロナウイルス)狂乱以降半数以下に激減した中共人観光客を呼び戻そうと観光大国として苦肉の策だったでしょうが、さすがに多くの国民から「主権侵害だ」との批判が殺到し、セーター・タウィーシン首相が火消しに追われる羽目になりました。
私も泰政府観光庁(バンコク都ラーチャテーウィー区)の本国職員を知らないわけではないので、この経緯について申しあげられるのは、決してターパニー総裁が一人で「暴走」したわけではなく、彼女の発言を慌てて否定したセーター首相らと共に考案したものだったということです。
中共国内で、特に泰国やカンボジア(柬国)に対して「危ない国」という印を勝手に張りつけるような世論が沸き、たまさか十月十五日記事前段で取り上げた未成年者による銃乱射事件で、観光中の中共人女性が犠牲になったこともあって、確かに泰国旅行が忌避されています。
観光業の収益が大きい泰国として「どうにかしたかった」と言えばそうでしょうが、泰国の警察権を一部でも中共に明け渡すような政策案は、それを口にする前に「全くありえない」と判断できなかった、しなかったのが泰貢献党政権です。とんでもない売国ぶりでしょう。
これと同じことを、わが国の政治家がやらないとは限りません。信じられないような売国的判断については、昨日記事でも申した沖縄県石垣市尖閣諸島沖中共漁船体当たり事件の中共人容疑者釈放(旧民主党政権)で、私たち国民が既に目撃しました。
初めからわが国を「制御」しようとしていた周恩来国務院総理(当時)なんぞと握手を交わした田中角栄首相(当時)がのちのちまで日中関係を維持するため北韓(北朝鮮)にまで遠慮し、結果として韓国を裏切ったこと一つを取ってみても、自民党政権とて信用できません。屈中の司令塔である福田康夫元首相や、現在の岸田文雄首相を見ても、泰国の現政権を笑えないのです。
さすがのことに大声を上げた泰国民のように、私たちも時に国を守るため叫ばねばならないのです。