仏大統領の発言を許すな!
民間の次元でも日台交流をさらに深化させようと十二日、大阪市北区にある「名家 華中華」を経営する陳天隆氏ら約二十名が発起人となり、民間団体「日本信頼台灣之友會」が発足しました。
南海波切ホール(大阪府岸和田市)で開かれた発足式典には、多くの日台関係者が集まり、来年一月の台湾総統選挙で民主進歩党を応援する旨の目標が掲げられました。民進党は、蔡英文総統の後継候補に頼清徳副総統を公認したばかりです。
ちなみに、前出の華中華は、ハービスエント内にある台湾料理を中心としたレストランで、以前某氏のお誘いでご馳走になったのですが、雰囲気も良く大変おいしいのでおすすめします。
かくして日台関係は、一部の国政・地方各議員の次元のみならず、ますます深まっているのですが、中共による台湾併呑を阻止しようと踏ん張る民進党に対し、国民党を使って叩き潰す工作に邁進してきたのが中華人民共和国・共産党です。
武力を用いた暴力的侵略に、国際外交上の高い障壁があるのは申すまでもありませんが、だからこそ中共は、いかに武力を用いずに併呑(茹で蛙的侵略)してしまうかを模索してきました。
ところが、十日記事で申したように、仏国のエマニュエル・マクロン大統領が習近平国家主席の熱烈歓迎を受けたのは、欧州連合(EU)のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長(独国元国防相)が対中強硬派であるため、彼女との扱いの差を共産党が演出したのです。
この演出を可能にしたのは、マクロン大統領の内政も外交も何もかも中途半端な態度にあり、まさに彼の無能につけこんだ中共の策略勝ちと申せます。
そして彼は、絶対に言ってはいけないことを言ってしまったのです。台湾が侵略されるかもしれないという危機に際して「最悪なのは、欧州が米国の動きや中共の過剰反応に追随し、同調しなければならないと考えることだ」「自分たちとは関係ない世界の混乱や危機に巻き込まれるべきではない」などと述べてしまいました。
一見、米中のどちらにも加担しないという方針を語ったように聞こえますが、実態は全く違います。これは、先述の通り武力侵略を躊躇してきた習氏に「私たちは関係ない」と吐き捨てたことで、欧米の反発を受けない、或いは限定的反発に終わるならば思い切って武力で台湾を強奪してしまえばよい、と習氏を誘発した発言なのです。
つまり、マクロン大統領が台湾有事を煽ったことになります。この責任は、極めて重いのです。
私がかねてよりマクロン大統領を一切評価してこなかった(はっきり申して嫌いだ)から批判しているのではありません。やはりと申しますか、政治家としての能力がほとんどないと指弾せずにはいられない致命的失言を批判しているのです。
欧州各国でも、このとんでもない発言に非難の声が上がっていますが、わが国こそが強烈な批判を浴びせて発言を撤回させるか、撤回を拒否すれば日仏関係に影響する旨を宣告する必要があります。
マクロン大統領は、仏国史上最悪かどうかはともかく、少なくとも三本の指に入る無能な為政者です。仏国の面汚しであり、EUで主導的立場を失った仏国の凋落に拍車をかけています。
文化・芸術に優れた「欧州の華」を自堕落な掃き溜めに堕としたマクロン大統領に、発言の撤回と謝罪を全力で求めましょう。
皇紀2683年(令和5年)4月13日 11:33 AM
>仏大統領の発言を許すな!
会計で使われるバランスシート(資産、負債)を政治に応用すると(権力、責任)になると思われます。
ところが権力の場合はその強大な力による横暴が常習的に行われていることが問題です。
この横暴とはバランスシートでいうと、権力行使の主体者と責任を負う主体者の分離ということになります。
今回の記事で言えば、
マクロン仏大統領の権力行使=中国での発言
その発言の結果起こる事象=中共による台湾侵攻の債務を負わされるのは主に日台国民
こうしてみれば、あらゆる政治問題は結局のところ、政治家に責任を取らせる問題であるといってもいいのではないでしょうか。
誰が権力を行使して、誰がその責任・債務・負債・ツケを負わされるのか、これを国民が強く意識して政治家の横暴を許さないようにしないと、権力がないのに責任を負わされる国民=奴隷になってしまいます。
個人的には特に、大阪府知事選でIR事業推進を掲げる大阪維新の会の吉村氏が圧倒的得票率で再選されましたが、大阪府民はそのツケを払わされることを理解していたのか、参政党の吉野氏が必死に訴えていたことが届かなかったのは残念です。