日韓スワップ狙いだったか
日本銀行は二十二日、約二十四年ぶりに円買い・ドル売りの為替介入に踏み切りました。為替介入自体も約十一年ぶりで、それは当然、1ドル75円という円高地獄の「最凶期」に円売り・ドル買いしたものです。
為替介入は、共に国際決済通貨である円(日本)とドル(米国)の「協調介入」でなければ、期待する効果がほとんど得られません。
よって為替操作のそしりを免れるべく、慎重に行われます。私たちは、円買い・ドル売りが「二十四年ぶり」であることに注目しなければならないのです。
二十四年前は、まさに中共経済への危険な依存を日米が強めた中で起きた円高解消に、わが国がみっともなく慌て、米国も物価下落にあえいで日銀によるドル売りを歓迎しました。
ほんの十一年前にも異常な円高を極め、ドル買いに奔ったことを思えば、二十四年前の「瞬間的円高解消」にわが国が慌てたほど、平成の内需委縮で延延と円高が続いてきたのです。
それはまるで、拉致された人が犯人に依存(円高慣れ)し、急に犯人に解放されて不安になる(円安に慌てる)ようなもので、金融のストックホルム症候群とでも申しましょうか。異常な円高を脱した(お家に帰れる)なら、本来は歓迎すべきです。
にもかかわらず「円安だ」「困った」と頭を抱えているわが国の現状については、何度も申してきた通り何から何まで輸入に頼り、内需回復策も講じずに給与下落を放置したまま外的要因による物価上昇(最悪のスタグフレーション)を引き起こしているからにほかなりません。
今回の為替介入は、日米協調ではありませんでした。米財務省は、日銀に理解を示しましたし、そのように根回しぐらいはしたようですが、今回の介入にほぼ効果はないと申しておきます。
なぜなら、岸田文雄首相が前出の根本原因に全くメスを入れないからです。安倍晋三元首相の経済政策(アベノミクス)が失敗したのも、日銀の量的金融緩和を先行させ、それだけに終わったからで、政府は日銀の金融政策に頼りながら財務省の財政政策に引きずられています。
日銀がアクセルを踏み、財務省がしつこくブレーキを踏み続けるせいで、一向に問題が解決しません。どちらの道を行くかも判断しない運転手(岸田首相)がまるで意識混濁でハンドルを握っているようなもので、まさに「免許証返納もの」です。
そのような岸田首相が相手でも、どうしても「会ってほしい」と懇願した韓国の尹錫悦大統領が本当にわが国に頼みたいことは、日韓通貨交換(スワップ)の再開でしょう。
しかし、わが国の一貫した立場は、かつて参議院財務金融委員会で麻生太郎副首相兼財務相が答弁したことに尽きます。尹大統領は、岸田首相のあまりにも冷たい態度に、望みがないことを思い知ったでしょう。
米韓通貨交換の検討が始まりますが、これもどうなりますか。韓国のように国際決済通貨を持たず、政府資産もなく経済が崩壊を始めれば、たちまち財政破綻を起こして終了します。
わが国は、賭博師たちの瞬間的円売りが始まろうとも世界一の債権国(カネを借りているのではなく貸してやっている国)にして莫大な政府資産を保有しており、国債によって国家を運営できる国です。
円高解消局面の好機を迎えているという認識に立って、内需回復に邁進し、国力を強化することこそ国家安全保障の基本であると心得てほしい。
皇紀2682年(令和4年)9月24日 6:46 PM
> 円高解消局面の好機を迎えているという認識に立って、内需回復に邁進し、国力を強化することこそ国家安全保障の基本であると心得てほしい。
その通りですね。
今般のようなグローバリズムの崩壊による急な価格高騰、為替変動の影響を回避する為にも内需回復が必要。
しかし政官財学メディアの殆どが未だグローバリズム脳なのが恐ろしい。
毎日、報道で、財政政策が無いかのような扱いをし、唯一まともな日銀を責め、「金融引き締め」「財政健全化」を煽る。
国民もまさか経済学でも騙されているとは気付けない処が盲点で悩み処。
財政政策という武器は、正に安全保障(軍事、食糧、エネルギー)、その他の日本の抱える問題を解決出来る特効薬だと言う事を、国民に理解して貰いたいものです。