武漢港MOU、地方の闘い

皇紀2682年(令和4年)5月29日

神戸港、パートナーシップ港、武漢港と合意書締結。直航便開設機に連携強化|日本海事新聞 電子版

 【関西】神戸市港湾局と中国湖北省の武漢新港管理委員会は12日、神戸港と武漢港の連携を強化するパートナーシップ港の合意書を締結した。両港間を結ぶ直航コンテナ航路が開設されたのを機に、さらに人流・物流面での相互交流を深めていく…

(日本海事新聞 電子版)

 これは、武漢ウイルス(新型コロナウイルス)の国内感染事例報告第一号(令和二年一月十六日)の約一か月前の記事です。この時既に、中共湖北省武漢市で感染拡大し始めていました。それを中共側が隠蔽していた時期です。

 神戸港は、港湾に関する研究、技術支援、人材育成等に関する連携協定(MOU)を複数港湾と締結していますが、武漢港との締結の際のみ、神戸市議会に一切の報告がなかったといいます。

 この経緯については、福岡県行橋市議会の小坪慎也議員のブログにて、神戸市議会の上畠寛弘議員が問題点を指摘、本年失効に向けた尽力の報告が紹介されていますので、是非お読みください。或いは、既にお読みになった方も多いことでしょう。(※ 本記事は二十七日午後作成のため、情報の更新にはご注意ください)

 わが国を代表する大型港湾の一つがMOUを締結すること自体は、何ら問題はありません。問題なのは、他港湾との締結時に市議会に対してあった説明が、武漢港の時だけなかった異常です。

 しかしながら今回、神戸市港湾局が上畠議員の失効に向けた説得に対し、極めて誠実に対応したようですから、締結当時の事情について、無用な憶測を述べることは控えておきます。神戸港の本年失効を確実なものにするためです。

 そこで大阪港のMOUが浮き上がってきます。大阪港も令和三年十二月、武漢新港管理委員会とMOUを締結してしまいました。

大阪府市が「一帯一路」に? 中国・武漢との提携が呼んだ波紋

中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」に大阪が参加を表明し、中国・武漢とパートナーシップ協定を結んだ-。最近、交流サイト(SNS)でこんな言説が飛び交い、物議を…

(産経ニュース)

 これで本当に良いのでしょうか。国家政策としての失敗というより、これもまた大阪市大阪港湾局の課題であり、大阪府議会と大阪市議会が今後、どう動くかに懸かってきます。

 小坪議員も指摘している通りこうした地方行政の問題は、あくまで地方の問題です。各自治体の首長と議会がどう闘うかによって、結果は大きく違ってきます。

 私は特に、日台友好関連事業に於いて、全国地方議員たちの連携をよく知る立場にありますが、わが国が中共・共産党のいわゆる「一帯一路」に組み込まれるような間違いを放置していれば、この日台友好にも悪い影響が出るでしょう。

 こうしたことは、決して国政だけで動いているのではありません。まして日台友好は、政府外交のほうが動きがとりづらいため、地方議員が台湾の各地方自治体と友好事業を重ねることで温めてきました。むろん国会議員の後押しも助かっています。実のところ自民党の二階俊博前幹事長が日台友好で援護してくれたことを、かつてここで申しました。

 共産党の「世界支配」戦略にわが国が組み込まれることなど、経済安全保障をいうなら尚更あってはなりません。むしろわが国のあらゆる産業における供給網(サプライチェーン)から、人権蹂躙や不透明な経済政策を連発する中共を外さなければならないのです。

 大阪港のことは、自民党なのか日本維新の会なのかということなど問題ではありません。わが国の問題です。大阪府知事と大阪市長、大阪府議会と大阪市議会の英断を求めて、地方議員たちが緊密に連携していることを応援します。

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