日韓は互いにただの隣国
一日記事で触れた中共海警局の件で、本日オンラインで開かれる日中高級事務レベル海洋協議の際に外務省と防衛省、海上保安庁、水産庁の局長級がようやく「懸念」を伝えるそうですが、手ぬるく、しかも遅いです。
事実上の対応は国土交通省海上保安庁ですから外務省はぼんやりしているのでしょうが、現場の海上保安官たちがどれほど悲惨な目に遭ってきたか、これからさらに遭わされるか、まるで「他人事」のようでいけません。
亜州各国の、特に比越(フィリピン、ヴェト・ナム)が明確に抗議しているにもかかわらず、わが国がのんびり懸念を伝えていてよいわけがないのです。
中共包囲網の一つのシステムともいえる日米豪印の四カ国安全保障対話(クアッド)の継承・発展が米新政権でも確認されましたが、これに韓国を加えるか否かで、まず文在寅(北朝鮮工作員)政権からあまりにも消極的な態度が示されていました。
新政権がこれを許すか(韓国外しをするか)、或いは参加圧力をかけるか、それはまだ不透明なものの、文政権のままではいずれにしても日米韓の太平洋防衛は叶いません。北朝鮮工作員は、北朝鮮本国ほど中共を敵視できないからです。
いい換えれば北朝鮮本国は中共と適当に距離を置いているわけですが、韓国戦争(朝鮮戦争)は周知の通りまだ終わっていません。にもかかわらず、文政権になってまたも韓国の防衛白書がおかしなほど北朝鮮との臨戦態勢をいわば否定しています。
その中で、本来日米韓の防衛体制が重要であるのにわが国を「隣国」としか明記しないところに、既にわが国側が韓国を「隣国」扱いに格下げした所以があるのです。
日本に格下げされたから「仕返した」ということもできますが、昨年・一昨年版のわが国の防衛白書で韓国は、安全保障協力の章で米豪印、東南亜諸国連合(ASEAN)に続く五番目にまで落とされています。それ以前は米豪韓の順番でした。
それが何を意味しているのか、韓国の政権は考えねばならないのですが、かかってこない米新大統領からの電話を待つ間に中共の習近平国家主席なんぞと電話会談してしまった文大統領の目的が「日米韓関係を破壊して北朝鮮と中共を喜ばせること」にしかありませんから、どうしようもないのです。
ドナルド・トランプ大統領は、安倍晋三前首相との対話で文大統領の汚らわしい正体を知り、北朝鮮との交渉を独断で進め文大統領を徹底的に排除しましたが、ジョー・バイデン氏はつまらないほど日本の政治家を喜ばせる(特に日米安保に関する)言葉を並べるだけで、日韓両国に実務を分担させようと文大統領にも誤ったメッセージを与えかねません。
だからこそ菅義偉首相にとって唯一のチャンスは、実はオバマ政権がついに韓国へ圧力をかけた例の「日韓合意」のまとめ役だったバイデン氏に「あなたがまとめた合意を文大統領は破り続けている」と耳打ちすることです。
文大統領は、まさに「混ぜるな危険」なのです。