ゴーン逃亡、日本の危機

皇紀2680年(令和2年)1月6日

 刑事事件で起訴されたカルロス・ゴーン被告が出身国であるレバノンへ逃亡した事件は、あらゆる意味でわが国の危機をさらけ出しました。さまざまなことが報じられていますが、問題点を整理してみましょう。

・保釈中の逃亡
 ゴーン被告は八日、恐らくわが国に於ける監視体制に「非人道的なものがあった」とか何とかぬかすでしょうが、東京都港区内の自宅から関西国際空港(大阪府泉佐野市)まで簡単に逃げられたことから、彼の訴えは既に通用しません。

・抜け穴だらけの出国
 ゴーン被告が音響機器などを入れる大型ケースに身を隠し、自家用機(プライベート・ジェット)に乗り込んで関空から出国してしまえたことは、まず自家用機の荷物検査が事実上「顔パス」状態であることを意味しています。これは、逃亡に米陸軍の元特殊部隊員がチームを組んで計画し、実行しえたことからも、これまでもこれからもわが国は工作員(スパイ)天国であることを意味しているのです。

・レバノンは引き渡さない
 わが国とレバノンとの間にいわゆる「犯罪人引き渡し条約」は締結されていません。ましてレバノンに多額のカネを流してきたゴーン被告を、決してレバノンが手放したりはしないのです。逃亡劇にレバノン政府高官が空港で出迎え、その日のうちにミシェル・アウン大統領と面会できた彼は、このままレバノンの庇護の下で刑事被告人の立場を免れるでしょう。

 わが国の司法権力が起こした大失態ですが、行政権力と一致団結してレバノンを非難し、わが国史上前例のない最大限の報復措置をちらつかせてでも犯罪人を取り返さない限り、夏季五輪東京大会の開催も危ぶまれるという覚悟を持つことです。

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『ゴーン逃亡、日本の危機』に2件のコメント

  1. きよしこ:

    ゴーン被告に関する一連の騒動で思うのは、司法云々よりも出入国管理の杜撰さは当該国に致命的な危機をもたらすということです。仮に殺傷事件を起こした犯人に逃げられたら我が国は諸外国から全く信用されず、観光客も「日本は危険な犯罪者をあっさり逃亡させる三流国家」とみなし忌避するでしょう。森雅子法相が「逃亡に正当化の余地はない」と述べたのが救いですが、安穏とすることなく毅然とレバノン政府と交渉してもらいたいです。

  2. 心配性@我は蛮夷なり:

    「脅し」が事実なら大変なことです。

    フランスの大物だというだけで日本の論客の中には突然腰が引け、「そもそも日本の人質手法が・・・」と「一定の理解」を示す人もいるようですが、かつての欧米列強のように、あからさまに「治外法権」を要求することは許されません。
    というか、日々この国の法律を真面目に守って生きている多くの日本国民に対してとても失礼。

    ゴーン被告は非合法に入出国 トルコ検察、手助けの5人逮捕
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200104-00000036-kyodonews-int
    >アナトリア通信によると、運航会社幹部は事情聴取に対して「レバノンの知り合いから頼まれた。『助けなければ家族に被害が及ぶ』と脅された」と説明した。