安倍訪韓と米朝密談の中止

皇紀2678年(平成30年)2月22日

 北野武監督作品『ソナチネ』の暴力団組幹部役から庵野秀明総監督作品『シン・ゴジラ』の内閣総理大臣役まで実に幅広く多くの役を演じた大杉漣さんが二十一日午前、亡くなられました。これを知った時には、思わず驚きの声が漏れましたが、衷心よりお悔やみを申し上げます。

菅義偉官房長官「対話のための対話は意味がない」 米朝会談中止で

菅義偉官房長官は21日の記者会見で、平昌五輪開会式の際にペンス米副大統領と北朝鮮の金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党第1副部長らとの会談が設定されながら北朝鮮側が…

(産経ニュース)

 さて、安倍晋三首相の平昌冬季五輪大会開会式出席に関し、米政府の介入(要請)の可能性を或る方から聞かされて最初に示唆したのが一月二十五日記事だったわけですが、このころから立て続けに米政府が北朝鮮との対話の可能性を発信し始め、わが国の報道各社は、安倍首相の「外交的孤立」を伝えていました。

 しかし、実際に米国との関係で孤立を始めたのは、明らかに韓国の文在寅大統領(北朝鮮工作員)であり、現行憲法(占領憲法)下の安倍首相は、対米従属で安定しています。

 よって米政府の底意を知った上で要請されるがままに開会式へ出席し、韓国にも北朝鮮にも都合よく利用されました。いざとなれば米国を袖にできる北朝鮮を軸にしてみれば、確かに安倍首相だけが孤立しているのです。

 米政府の方針が一貫していないという声もありますが、圧力と対話の両刀を使い分けられるのが彼らであり、占領憲法を「憲法」とするようなわが国は、そもそも両刀あっても片方しか使えません。圧力を使えば対話を失い、対話をいえば圧力が姿を消すのです。

 安倍首相は、日本国民拉致事件を解決させられない状態のまま制裁強化という圧力の刀を大きく振り始めたため、「対話の圧力」の一手を失いました。そうです。対話をするには、圧力が必要で、米国はその手段を持っていますが日本にはありません。だから事件被害者の全員が家に帰れないのです。

 にもかかわらず、米政府の要請で開会式に出席してしまったという事実だけが残り、開会式後に予定していた米朝密談の直前中止という報だけが流れ、わが国が恥をかきました。これは、わが国の恥なのです。

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『安倍訪韓と米朝密談の中止』に6件のコメント

  1. 心配性:

    大杉さんのお元気な姿を、比較的最近テレビで拝見したように思います。
    それがお亡くなりになっていたとは、ショックで言葉もありません。
    ご冥福をお祈りいたします。

    今やテレビで殆ど報道が無くなった「漁船」漂着と、原油漂着に関し、個人的にこまめにチェックしたいと思っています。

    日本政府は「朝鮮難民やテロリストは、対馬と福岡で対応する」構えのようですが、「有事」というものを本気で想定するならば、北日本の沿岸を手薄にしてはなりません。

    石川の海岸に木造船漂着 北朝鮮漁船か、木片も
    http://www.sankei.com/photo/story/news/180221/sty1802210011-n1.html

    鹿児島・沖縄に油様漂着物、野生生物に被害…奄美沖タンカー沈没後
    http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20180221-OYS1T50000.html

    それから、鹿児島と沖縄の各地に漂着しつつある「原油」の件です。

    目下、ボランティアによる手作業での「除去」が続いているようですが、英国の国立の研究機関のシュミレーション通り、事故から数か月以内に、銚子沖から瀬戸内海から山陰・北陸南部まで汚染が進むかどうかはともかくとして、地元住民、特に漁師さん達のストレスが高まるようなことがあってはなりません。

  2. :

    そんな事よりイバンカが平昌へ行って北朝鮮と何を話し合うのかのほうが重要です。
    安倍さんが行った時は直前に北朝鮮のほうがドタキャンしたのを、こんどはアメリカがわざわざイバンカを送り込むとなれば、悪い予感しかしない。
    だいたい何をするのも軍事オプションが出せない総理を非難するより前に、ペンスをわざわざ平昌へ行かせると決めたアメリカ側を糾弾する方が先でしょ?
    茶番オリンピックが決行される前にトランプが決断しなければいけなかったんですよ。

  3. 一般ピープル:

    いつも貴重な記事をありがとうございます。


    開会式後に予定していた米朝密談の直前中止という報だけが流れ、わが国が恥をかきました。これは、わが国の恥なのです。

    の部分がよく分かりません。
    どういう運びでそれが「わが国の恥」なのか、もう少し解説いただけると助かります。

  4. 遠藤 健太郎:

    皆さん、いつも貴重なご意見を賜りありがとうございます。

     何が「わが国の恥」なのかを申しますと、以前にもここで申したように開会式出席のお膳立ては自民党自身がやってしまっています。それは米政府の要求があったこととそもそも親韓派がいるためですが、軍事オプションを有する米政府は、北朝鮮との「圧力のための対話」を画策して安倍首相を巻き添えにしました。

     その点では、確かに米政府を非難すべきかもしれませんが、占領憲法下で何もできないことを知りすぎている安倍首相が、巻き込まれるに任せ、のこのこ開会式に出席してしまったことがまず非難の対象でないはずがありません。

     その対話が失敗し、ただ開会式に安倍首相が先進国首脳で唯一人出席してしまったという事実だけが残りました。これが「わが国の恥」でなくして何でしょうか。

     イヴァンカ・トランプ女史が訪韓して北朝鮮側と対話する機会はありません。少なくとも現段階の情報ではそうです。米政府にそのつもりがなく、当初から予定されていた日程を韓国に対してただこなすだけでしょう。

     米政府が五輪大会前に対北攻撃を決断しなかったのは、全く準備ができていないためで、実戦をよく知るジェームズ・マティス国防長官が許すはずもなく、だからこそ米政府には「時間稼ぎ」が必要でした。軍事オプションを有さないわが国は、無策なままそれにつき合わされたのです。

     この開会式出席を有効な外交手段に利用するには、占領憲法では駄目でした。安倍首相の出席は、それを明らかにしただけです。それを受けて「恥」と認識することで、安倍首相も私たちも先へ(真の自主憲法の改正へ)進まなければならないと思います。

  5. やす:

    大杉漣氏の訃報は本当にビックリしました
    ご冥福をお祈りします
    私が印象に残っているのはドラマ相棒の副総監役の中で自分の娘をキッカケとして今まで敵対していた水谷豊こと杉下右京への意識が変わり始めたことで、そして間もなく今回の訃報は何となく役目を終えたのかなぁという思いになりました
    個人的に思っているのは俳優という仕事は別な人間の人生を演じているように見えて、実は自分の人生の一部を仕事を通じて生きているのではないかと思ってます

    米国が北朝鮮に攻撃するには、米国から見て北朝鮮より日本との関係を良好にすることの方がメリットがあると判断した場合だと思います
    つまり北朝鮮を潰せない原因は日本にあり、米国は今でも反日であるという事実が安倍総理は分かってないんでしょう
    本来なら自衛目的で北朝鮮に自衛隊を送り込んだり、ミサイルを撃ち返す決断は下せるはずで、そうして北朝鮮の利用価値というものを無くしていかないと米国が動くことはないです
    どうしても日本人の感覚だと戦争に大義を求めたがりますが、世界では単なる金儲けにすぎず、今米国が北朝鮮に攻め込んでもメリットがないと判断しているから動かないんですよ
    今の政府では永遠に北朝鮮問題は解決できませんね

  6. :

    >占領憲法下で何もできないことを知りすぎている安倍首相が、巻き込まれるに任せ、のこのこ開会式に出席してしまったことがまず非難の対象でないはずがありません。
    >この開会式出席を有効な外交手段に利用するには、占領憲法では駄目でした。安倍首相の出席は、それを明らかにしただけです。

    どんなに叩かれようが、出なければいけなかった事情があったのでしょう。
    であれば、国民の60%以上が開会式に出席するべきだとなったことに対して、どうすべきか考えることのほうが建設的ではありませんか?
    憲法を改正したいと言い出せば総理が陥れられるようではまず無理なんです。

    また今回の対応で、IOCが北朝鮮一派と裏でつながっていることがはっきりしました。
    となると、20年オリンピックの開催地が東京に決定する過程で、某国の工作がはいっていたと考えれば、清和会を後ろ盾とする総理がいかざる得なかったのも仕方ありません。
    それがわかっていたから、あえて韓国がオリンピック前にわざわざ慰安婦のことを出してきたように私は思っています。

    最も心配なのは今回のアメリカの対応です。
    北との裏合意なしにペンスやイバンカをアメリカがわざわざ遣わすのですか?
    時間稼ぎならそこそこの人物を送っておけばいいではありませんか。
    このうえはもう軍事オプションは無いと思います。
    ばかりか、北主導での南北統一に米がお墨付きをだし、北が実は核保有したまま軍事同盟を結ぶきではないでしょうか?
    そして日本だけが取り残される。悪感がします。