「強者」の性悪説に立て!

皇紀2674年(平成26年)6月8日

 http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140605/……
 ▲zakzak(産經新聞社):【経済快説】「残業代ゼロ」構想のブラック度 日本企業では労働強化の恐れも

 いわゆる「残業代ゼロ法案」が、なぜ安倍政権の成長戦略と位置づけられているかと申せば、経営者にとって極めて都合よく経費を削減できる制度だからです。

 何度も申しますが、これを政府に強く進言してきたのは、経済財政諮問会議と産業競争力会議の竹中平蔵民間議員であり、彼は労働者派遣事業のパソナグループ取締役会長ではありませんか。

 中共による倒閣工作には打ち勝ってもらいたいが、安倍晋三首相はいずれもの議長として、このような人物を民間議員に採用したことが大問題です。

 会社は一体的に経営者と社員・従業員と顧客のものであり、決して株主のものでもなければ経営者だけのものでもありません。

 竹中氏が夢のように語る「自由な働き方、生き方のできる社会」をそのまま喧伝する一部報道では、この法案の可決・施行で「フレックスタイム制」の導入が加速し、勤務時間による拘束が弱くなって、例えば趣味を生かした別の仕事までできるように謳っています。

 しかし、残業代ゼロとフレックスタイムはまったく別次元の制度です。社員・従業員は勤務時間に対して給与が支払われるのであって、それを根底から覆すというのであれば、フレックスタイムは残業代とともに消えてなくなります。

 よって、経済評論家の山崎元氏が指摘するように、特に悪徳な経営者でなくても、賃金を増やさない労働強化に偏るでしょう。「デフレ脱却」の方針にも反します。事実上終身雇用を崩壊させた小泉・竹中政権は、そのくせ転職の不利を取り除かなかったため、日本国民は自国内で行き場を失ったのです。

 そうして外国から労働者を大量に移動させればよいという一方の政策は、納税させる頭数だけを確保し、日本国民が栄養失調で早死にしてくれても一向に構わず、むしろ年金問題の懸念は収まるとでも言いたげではありませんか。

 この種の政策を検討する際に最も気をつけることは、性悪説を強者に設定することです。給与を支払う側の立場は強く、それは公務員において分かりやすいでしょう。すなわち、経営者の悪事を想定し、納税者の悪事を想定して制度設計するということです。分かりますか?

 だから労働組合のほうが強い会社は、経営がもちません。公務員組合の政治活動が激化すれば、国家が国民を乗せて沈むのです。そんなことも分からない労働者派遣経営者が、弱者の性悪説(曰く「残業代の『ちょろまかし』が経営を圧迫する」など)に立ってものを言うとはけしからん。

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『「強者」の性悪説に立て!』に1件のコメント

  1. matu:

    >性悪説を強者に設定することです

    とうことならば、竹中こそ今や明らかに強者であって
    竹中は「わからない」のではなく、
    解っていて日本潰しをやっているでしょう。

    「正規社員は最大最強の既得権益だ」(=雇用の安定は潰さねばならない、貧困化大歓迎)

    「安い外国人メイドを家庭に入れて主婦を外で働かせたい」(=税金を払わせよう、家庭の安定・育児・教育をつぶさねばならない)
    と発言する人ですからね。