完全なる売国税制改正案

皇紀2673年(平成25年)12月6日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131130/plc131130……
 ▲産經新聞:高額飲食に新税検討 政府・自民「1人1万円超」で調整
 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131205/fnc131205……
 ▲産經新聞:軽自動車税「年1万円超」に引き上げ検討 政府与党が2案、調整難航も

 特定秘密保護法案を巡る参議院の動きは、五日のうちの本会議での可決を目指した政府・与党の狙いを打ち砕くほど混乱しました。特に、森まさこ担当相を民主党の福山哲郎議員と芝博一議員(ともに元官房副長官)、共産党の仁比聡平議員がわざわざ目の前まで押しかけ、まるで暴力団組員のようなさまで怒鳴り上げ、怯えた彼女は左側へ顔を背けています。

 この法案の不完全さについて改めて申しませんが、安倍内閣が本法案の成立を急ぐのは、周辺事態の危険な変化が理由だと何度も指摘してきました。例えば、北朝鮮の指導体制に関する目下不穏な噂話すら、政府は正確な機密情報を得られないでいるのです。

 もっとも占領憲法(日本国憲法)下では、自立した機密情報の収集を前提としたその保護の法整備というより、主として米政府・米軍がわが国政府・自衛隊を動かすために提供したい機密情報の保護のための法案に過ぎませんが、今臨時国会はその他のあらゆる議論も全て中途半端か、或いは全くなされないまま終わってしまいます。

 いわゆる「成長戦略」の分野でも、自民党がようやく米の減反政策をやめると決意したことに対し、いかに新規参入を促して中小規模の農家を集約し、世界戦略に打って出られる土壌を築くかや、新しい資源政策の方針をいかに実行に移すか、といった議論は殆ど進んでいません。

 そのような中、政府・与党が進めているのは、消費税率の引き上げに関する別の無意味な準備と、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加に対する余計な備えです。

 軽自動車については以前に申した通りで、先述の農業にも関連するのですが、まずそれがわが国の道路事情に適した規格であり、主に米国の自動車業界が軽自動車の普及を「日本参入の障壁」としていることには大した根拠がないため、政府はその優遇税制の廃止要求などに一切応じる必要はありません。

 しかし、自民党は消費税率の引き上げに伴う自動車取得税(地方税)廃止の穴埋めをしようと、軽自動車税率を引き上げようとしています。ここには地方自治体への言い訳と米政府への「おべっか」という二つの汚い動機があるのです。

 仮に軽自動車税を二倍に引き上げても、取得税廃止の損失を埋められません。ならば取得税率を単に引き下げればよかったのです。そのほうがよほど内需回復策に適います。

 さらに、自民党が高額の飲食に対して課税する新税の導入を検討しているのも、政策としてはあまりにも低級に過ぎ、ならば来年四月の消費税率の引き上げに際して、可変税率の実施として盛り込むべきでした。

 そもそも私は消費税について、独国などのように、外食に対する税率と持ち帰りに対する税率を分ければよいと提言してきたのであって、消費税はそのままに新税、というより平成十二年に廃止された特別地方消費税のようなものを(増税するのに)復活させるなど愚の骨頂です。しかも、この案では交際費の免除枠と個人消費の精査をどこでするのでしょうか。

 この背景には「平成二十七年度予定の十%への引き上げは出来ないだろう」という財務省と首相官邸の観測があるでしょう。安倍晋三首相も麻生太郎副首相兼財務相も、さらなる引き上げは困難と考えているようです。

 当たり前です。何度も申しますが、八%への引き上げ時点で内需は再び萎縮を始めます。わが国は給与・物価下落(デフレーション)へまたも逆行し、第二次安倍内閣が崩壊するに違いありません。

 これは、米オバマ政権が目論む「製造国への回帰」政策に合致しており、彼らと彼らの代弁者にとって、私たち日本国民の給与など上昇してもらっては困るのです。本当にわが国を想うならば、このような案にこそ反対しましょう。

スポンサードリンク

『完全なる売国税制改正案』に1件のコメント

  1. *:

    森大臣への恫喝をみていると・・・。
    こうやって、おとなしい日本人を恫喝して、外国人が利権を広げていったのだろうと確信してしまいました。あれは、やくざが恫喝しているのと同じ。