比台風救援は対中包囲の場

皇紀2673年(平成25年)11月19日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131115/chn13111512……
 ▲産經新聞:「戦後最大の海外派兵」 中国紙、自衛隊のフィリピン派遣を
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131115/chn13111514……
 ▲産經新聞:「中国も軍艦を派遣すべきだ」 共産党系紙、比救援で社説

 八日、比国中部レイテ島を中心に、過去最大級の台風三十号が直撃したことを受け、天皇陛下は比国のベニグノ・アキノ三世大統領に電報を送られました。また、わが国政府は医療班を先遣して自衛隊を現地に送り、米政府も寄港先の香港から原子力空母ジョージ・ワシントンの派遣を決めました。

 十四日記事では、日本赤十字社が救援金の募集を始めたことをお知らせしましたが、改めて、亡くなられた方のご冥福を衷心よりお祈りし、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。

 多くの比国民の尊い生命が犠牲になり、それでも助かった人たちのために出来ることをしなければならないという折に触れ、政治の、特に外交・安全保障に於いては、祈りと救いとは別次元の戦略を実行に移さなければなりません。

 それは一見して「非情」に映るかもしれないのですが、外交・安保は大抵「情」だけで成立しないのです。例えば土国(トルコ)や台湾などのいわゆる「親日」の国と地域に対して、いつまでも過去の恩情を持ち出し合うだけで関係は維持し得ません。

 今回の場合、南支那海の領土・領海問題で、中共が比国を攻めてきた経緯から、日米比のいわゆる「太平洋防衛連合」と中共の人民解放軍という対立軸が存在しているため、中共はわが国が災害救援で派遣した自衛隊にすら「戦後最大派兵」だのと書き立て、自らも海軍軍艦を派遣すべきだと謳っています。

 このような中共側の反応は、前述の通り無理もありません。現実の問題として、米軍が東日本大震災時の救援活動規模に匹敵する原子力空母や、海兵隊オスプレイの派遣を決めたのも、これがいわば「対中包囲」の威信にかけて取り組まなければならない案件でもあるからです。

 よって、中共人民がインターネット上(騰訊網)で見せた「対比支援に八十四%が反対」という反応をよそに、人民解放軍も対比派遣で日米比連合に対抗したがっています。

 いえ、日米比の安保連合は、何としても形成しなければなりません。占領憲法(日本国憲法)のほうを有効とするわが国は、このまま連合の足かせ、或いは連合不成立の要因国家になってはいけないのです。

 俗に「民主化」と言われるほうへ向け、わが国に視察団を派遣したこともある越国(ヴェト・ナム)政府が米政府と話し合えれば、むろん日米比越の連合も急がねばなりませんし、わが国が米越関係を仲介するという外交方針を持つ必要があります。

 大東亜戦争を経ただけで内向的になってしまった私たちは、決してこれらを恐れてはならないのです。

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『比台風救援は対中包囲の場』に1件のコメント

  1. 山本一郎:

    毎日拝読させていただいています。早速ながら、人民解放軍は、勝者の言葉です。日本は一度も共産支那とは戦争しておらず、したがって負けたことは在りません。やはり、支那共産党軍とすべきではないでしょうか。